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好きな匂い ページ39

婚約発表前後.同棲中



同棲中、りっちゃんが撮影で夜遅くに帰ってきた。

「呼ばれ方〜ただいま〜……♪」

『りっちゃんおかえり〜……♬』


いつも通り、玄関でりっちゃんに抱きつこうとすると、女性用の香水の匂いがふわりと漂う。私を抱きしめようとしていたりっちゃんの手を、反射的に振り払う。


「え?呼ばれ方?」

『…女の人の匂いをつけて帰ってくるような人は嫌いです。』


(……まだ公にしてはないけど、りっちゃんは私のなのに。りっちゃんの匂いすきだったのに………。

匂いが移るくらい近くにずっと居たってこと?)


「……呼ばれ方が…俺を……きらい………。


……あー、そういえば、共演の女優さんが香水きつい人だったから匂い移っちゃったのかも。……くっさ…。」

りっちゃんはスンスンと自分の服の匂いを嗅ぎながら言う。


『ほんとに?……匂いが移るくらいイチャイチャしてたとかじゃなくて?』

「本当に。……なに呼ばれ方、嫉妬しちゃった?」


『……うるさい。今のりっちゃんはその人の匂いがするからいや。ご飯の前にお風呂入ってね。』

熱が集まる顔をりっちゃんから背けてリビングに向かう。すると、後ろからりっちゃんに抱きしめられる。

先程の女物の香水の匂いが鼻につく。





「一緒の物使ってるんだから呼ばれ方も普段の俺と一緒の匂いだよね?そんなにこの匂いが嫌ならさ、呼ばれ方の大好きな俺の匂いに塗り替えてよ。





ねぇ、可愛い可愛い俺の呼ばれ方……♪」

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雪月詠 - 今までありがとうございました! (2022年7月22日 18時) (レス) @page50 id: ec1ca7135a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪月詠 | 作成日時:2022年5月2日 23時

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