２人の時間は交わらない【朔間零】【完】

久々の相棒 ページ7

A)お〜、ひさびさの軽音部。ふんふふん、私のサックス〜
ちゃんと手入れしてなくてごめんね〜




ゆ)そのサックス。朔間先輩がいつも手入れしるんだよ。Aさんがいつ帰ってきてもいいようにって




A)へー。あ、ゆうちゃんこっち来て





ゆ)？なに？





ベシ




ゆ)痛いっ！なんで叩くんですか〜…(涙






A)さっき私に敬語使ったから






ひ)ゆうたくん〜お兄ちゃんが抱きしめてあげるから、泣き止んで





ゆ)やめて、アニキ。近寄んないで









しかし…なんとまぁ。一度もあったことのない人にそんな心遣いをうけてしたとは…これは今日必ず会わねば
正直、１７：００で寝落ちしそうだけど、頑張る



私はサックスをケースから取り出してそっと撫でた
そして小さいケースからリードを取り出して吹く準備





ひ)久々にサックス見た〜





ゆ)いやいや、実際手入れしてるとこみてるよね？






ひ)わかってないな〜ゆうたくん、手入れされてるのと吹かれるのとでは違うでしょ？









んー、よくわかんないけどひなちゃんみたいな考え方もあるよね〜
私はリードを装着した



そしてそれをくわえる







〜♪〜♪







A)わー…久々すぎていい音どころじゃない…。チューニング徹底的にしないと…





大)八っこれを機にちゃんと部活に出ろよな






A)それに関しては頑張るよ。…うん。ちゃんとチューニングしたいから
集中させてね〜








私は部屋の隅に移動して、チューニングを始めた
小さいころから聞いてきたサックスの音




最近聞いていなかったとはいえ、耳の感覚は研ぎ澄まされたまま







早く音楽を奏でたいな






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ゆ)相変わらず、すごい集中力





ひ)もっと気楽にやってもいいのに





大)こいつはこうだろ、いつもよ







プロデュースしてるとこは見たことねぇけど。真面目にやってなきゃあのクソ「fine」どもや生徒会の野郎どもが率いる二大ユニットに信頼されねぇだろ





一時間たってもまだサックスを奏でる彼女に背を向けながら、どこか誇らしげに大神は口角をあげた







双子は素直じゃないなぁなんて顔を合わせ笑いあう



そして






ひ)ツンデレだね〜






大)あ”ぁん？！







いじるのも忘れない

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