deep insaide ページ28
「タンタンメン屋さんで
今日のおもてなしは終わりなんだけどさ。
しょーちゃん、
今日は本当にありがとうね。」
へっ？
まだ食ってないうちに番組を締めるの？
なんで？？
ああ、雅紀は番組進行に忠実なのか。
ニセ番組とは思ってないもんな。
「えーっと。
こちらこそ今日はありがとう。
すげえ楽しかった。
こうしてさ、
ただのドライブだろうが
ドームコンサートだろうが
いっしょにいるのが雅紀だから楽しいんだって
今日改めて感じたよ。
雅紀も俺と同じ気持ちなら
これからはプライベートでもどんどん誘って欲しいな。」
この先の未来で俺と雅紀は
番組の企画でイタリアへ行ったり
ハワイへ行ったり。
プライベートでも
年に何回もいっしょに旅行に行ってさ。
活動再開してからなんて
もっともっと濃密な日々を送るんだ。
それは少し苦しい時間でもあったけど
雅紀の近くにいるだけで
沢山の幸せをもらってたんだな。
折角ここに落としてもらったなら
そんな苦い気持ちを取っ払って
もう一度この先の未来を過ごしてみたかったけど。
どうやら終わりが近付いてるみたいだ。
雅紀。
今ここにいる俺の魂は消えちまうけど
これからも俺のことをよろしくお願いします。
この時代を生きてる俺は
ちょっと距離を置いたかと思えば
近くに行って触れようとしたり
雅紀にとっては面倒くさいやつだと思うけどさ。
厭きれずどんどん誘ってやってくれよな。
・・・・・ははっ。
そんなこと考えてると泣きそうになるな。
「・・・・ぐすっ。」
えっ？
はっ？！
なんで俺じゃなくて雅紀が泣いてるんだよ？！
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作者名：わか
| 作成日時：2022年9月30日 9時
