dream seeker ページ22
今日も最高のおもてなしを
考えてくれてるだろう雅紀の次の提案は。
「しょーちゃん。
おれたちは今どこにいますか？」
「へ？喫茶店？」
「じゃなくてー。」
「千葉？」
「じゃなくてー。」
「なんだよ。わかんねぇよ。」
「窓から見える景色は？せいっ。」
「えー。なんだろうなー・・・。
もしかして、森？？」
「正解！
まずはさー、腹ごなしに歩こうよ。」
森を散策。
花鳥風月の良さが少しだけわかり始めた俺たちには
ピッタリな大人の企画だ。
店から小道が続いていて
まるで店の庭のように感じるほどきれいに整えられた山道。
都会に慣れてる俺には歩きやすくてありがたい。
「気持てぃぃー！
新緑がきれいだなー！」
「ねー！癒されるねー。」
「ああ。空気もきれいでおいしいぜっ。」
「くふふっ。今回はね、
海じゃなくて山にしてみました。」
「あー、そういうこと？」
「うん。海はまだ寒いしね。」
俺の千葉第一弾は海がメインだったけど
今回は山だなんて。
それはそれでいいよなー。
さすが雅紀だなー。
なんて感心してる時だった。
「ん？あ！クマ出没注意だって。」
不穏な空気が漂い始めたのは。
「え・・、こんなに整えられた山道に？」
「生息地であればどこだって出るよ。」
長年動物番組をやってる雅紀は落ち着いてるが。
「そ、そうなの？
え？でもこの時季って出るのかな？」
俺はすげえ怖いんですけど！
「わかんない。
でもさ、
山に行けば動物注意の看板ってよく見るじゃん。
いちいちビビってたら何もできないよ。」
「そ、そうだな。」
「だいじょーぶ。おれがいるじゃん。」
「う、うん。」
「それにさ、
歌いながら行けば大丈夫だよ。」
「歌？」
「うん。
音がしてるとクマは近付かないって言うじゃん。」
「ああ、鈴とか？」
「そう。だからさ、
おっきい声で歌おうよ。
♪あっるうひんけつっ、もりのっなかんちょうっ」
「あははっ小学生かっｗｗ」
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作者名：わか
| 作成日時：2022年9月30日 9時
