dream seeker ページ21
「ここで休憩しよっか。」
山道をぐんぐん上がった先に
ポツンとあった喫茶店。
「休憩地点も考えてくれてたの？」
「もちろん！
しょーちゃんそろそろ車であきる頃かなーと思って。」
「よくわかるね。」
「何年もいっしょにいるからね。
だいたいわかるよ。」
『♪チリンチリンチリーン』
レトロなドアベルを鳴らしながら入れば
若かりし頃雅紀とよく行った店に似てる。
「WOWっぽい！」
お仕置きとか気になることは置いといて
テンション上がるぜっ！
「やっぱしょーちゃんもそう思う？！」
「ああ。なんか懐かしいな。」
「きさてんって言ったらWOWだよねー。」
「だよな。雅紀はいつもナポリタン。」
「しょーちゃんはいつもたまごサンド。」
「ふふふっ。」「くふふっ。」
「でもさ、まだおなかは空いてないでしょ。
このあともあるからがっつり食べないでね。」
「えー、じゃあ何にしよう。
あっ！しらすのペペロンチーノがある！」
「まさかそれ頼んじゃうの？」
「いいや。
しらすのペペロンチーノは
雅紀が作ったやつが一番だから頼まない。」
俺の千葉第一弾で
当時まだ料理に不慣れだった雅紀が
俺のために一生懸命作ってくれた思い出の味は。
「味のないやつが一番なの？」
確かにほとんど味がしなかった。
だがな、味じゃないんだよ。
俺だけのために作ってくれて。
二人で海を眺めながら食べて。
「ああ。
雅紀の愛がいっぱい入ってたからな。」
幸せってスパイスが
たっぷり入ったしらすのペペロンチーノは
最高にうまかったんだよ。
「うん！愛はものすごく入れた。」
「だろ？あれに敵うやつはない。」
「くふふっ。うれしい。」
あの時は収録とは思えないほど
幸せで最高な時間だった。
今もありがとうって気持ちが大き過ぎて
勢い余ってキスでもしそうだよ。
「ｺﾎﾝ。さーってと、何にしようかな。
お！チーズケーキがある。
雅紀が好きなチョコレートケーキもあるぞ。」
「いいね！じゃあさ、
どっちも食べたいから半分こずっこしない？」
「ははっ！いいよ。
アラフォー二人でケーキ半分こずつww
笑えるけどさ、
いつもは酒飲むだけだもんな。
たまにはいいな、こういうの。」
「でしょ？
なつかしのきさてん。
そこを狙ってみました。」
「はーー。
今日の相葉雅紀はひと味違うわー。」
「ひゃははははっ」
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作者名：わか
| 作成日時：2022年9月30日 9時
