the deep end 【SA・完結】 (ページ19)

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stay alive ページ19

あ・・・。

笑ってるけど
表情が少し沈んでる気がする。

やっぱり雅紀の悩み事は重大？

でも俺には解決できない問題ってことなんだよな。

そうなると
暗黙のルールに則ってスルーするしかないけど。

「雅紀。」

「ん？」

「俺は雅紀のためなら
いつだってどこへだって駆け付けるからな。
何かあったら連絡してくれよ。」

『この曲なんて曲？』
『これなあに？』
隣で教えてあげることはできなくなったけど
気持ちだけは
いつも隣にいることはちゃんと伝えておこう。

「うん。ありがとね。
おれもしょーちゃんのためならなんだってするからさ。
いつでも連絡ちょうだいよ？」

「おうっ。」

と言いながら思い出した。

期限があるかもしれないことを。

あるとしたら
俺は駆け付けることができるんだろうか、って・・・・。

「タクシー来たってさ。
帰ろうか、しょーちゃん。」

「うん。」

そうだよ、
智くんがあんなこと言うから。

でも期限があるなんて考えたくない。

こうして雅紀と過ごすことが
何よりも楽しいって思い出してしまったから。

雅紀と結ばれることがなくても
このまま出来る限りそばにいたい。

この先の人生をもう一度
雅紀の近くで過ごしたい。

それは無理な願いと薄っすら思いながら
俺は漆黒の天を射貫くように見つめた。