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No.73 ページ24

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泣きそうになるのを必死に止めながら、よろよろと立ち上がってエントランスの自動ドアを開ける。


しばらくすると家のドアが開く音がして、そこに向かえば息を切らした轟くんがいた。





「良かった……A?」


『…うぅー、良がっだぁー…とど、ろきくんっ無事だった…!』





せっかく我慢していたはずの涙は止めどもなく溢れ出てきて、みっともないくらい大泣きする私。そのまま座り込んで必死に止めようと涙を拭うも意味がなさそうだ。



すると轟くんも肩に掛けていたボストンバッグを地面に降ろすと、私の目の前に座り込んで「心配かけて悪ぃ」と、ただ側にいて慰めてくれた。






この時の私は泣きながら思ったのだ。


どうしてこういう時に限って、触れられないんだろうと。そこにいるはずなのに、たったそれだけで不安が少し心の底に溜まっているというか、不完全燃焼のような気分だ。






「落ち着いたか?悪かった、何度も電話してくれてたっつうのに。いろいろあって気づいたの朝方だった」


『ううん、帰ったばかりなのにわざわざごめんね』


「それはいいけど、俺も電話したのに出ねぇから心配した」


『え?……ほんとだ、不在通知来てる』






やっと涙もおさまって、轟くんをリビングに上げると轟くんも私に何度も電話を掛けていてくれたことを知った。



そこでふと時計を見るともうお昼近くで、かなり眠っていたことに気づく。





「おい、リモコンの電池取れてんぞ。…もしかしてニュース見たのか?」


『…うん、轟くんも頑張ってるから私も頑張ろうって。でも、まさかあんなニュースが流れるなんて』






そんな私の言葉に、轟くんの眉間にシワが寄るのが見えた。

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作者名:空涼 | 作成日時:2019年7月12日 14時

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