テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ25)

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No.74 ページ25

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『私、もう心配で心配で…轟くんがいなくなっちゃったらどうしようって怖かった。

そしたら個性が暴走しちゃって、気絶したみたい』

だから目が覚めたのは轟くんが携帯とインターホンを鳴らした時なのだと言えば、轟くんは私から目を逸らして小さな声で呟いた。

「頑張ろうとしたのは良いことだと思う。けどな、もう俺がいないところでそんな事しないでくれ」

『…なんでそんなこと言うの。私も早く個性をコントロールして、轟くんと夏祭り行きたいのに。

頑張らなきゃ、夏祭り行けないじゃん。人が多いんだよ？このままじゃ轟くんに迷惑かけるだけなんだよっ』

そんな悲しいことを轟くんだけには言われたくなかった。何故なら私の努力を全て否定された気がするからだ。その上唯一、私を認めてくれた人なら尚更辛い。

また涙が溢れ出そうになったその時。予想外の言葉が聞こえてきた。

「可愛すぎかよ…」

『……え、今なんて』

「悪ぃ、言い方が悪かった。

俺が言いてぇのは、もしまた一人で練習したら今日みたいに気失って連絡繋がらなくて心配するだろ。

だから俺が側にいる。そしたら安心するし、何かあった時は助けられる」

一人で無理しようとするな、一緒に練習して夏祭り行こう。轟くんは穏やかな笑みを浮かべながらそう言ってくれた。

『轟くん、やっぱ笑った方がいいと思う』

「？…そんな変わんねぇだろ」

すぐまたいつもの無表情に戻った轟くんは、自分の頬をつまんで首を傾げている。

思わず話を逸らしてしまったけれど、そんな行動が可愛らしくて、温かい気持ちになりながらも幸せを噛み締めていた。

『…ありがと』

「大したことねぇよ」

小さく呟いたお礼は聞こえていたみたいで、驚いたけれど嬉しかった。