■ ページ12
ガラス窓の向こうの景色はオレンジ色だった。
「・・・、」
凪で『羨望』を読み進めていると聞き覚えある声がして本から目を離して記憶を巡らせる。
どこで聞いたんだろ。
腕時計を見つめるとそろそろ家に帰ってご飯を作らないと雄登に文句を言われる時間帯で。
最後にもう一杯だけ飲んでから帰ろうと「すみませーん」と声をあげた。
作「ご注文ですか？」
「・・・あ、」
聞き覚えのある声は、これだった。
凪のエプロンを身にまとった彼を見上げる。
「えっと、・・・雄登の友達の、」
作「どうも、」
彼はさっきから気づいていた模様で、大して「今気付きました」感なく私に頭を下げた。
「・・・作ちゃん、だよね」
そう言って私が確認するように目を合わせると彼は少しびっくりしたように「あっ、作ちゃんです・・・(笑)」って目を伏せた。
「作間くんだね・・・、馴れ馴れしく作ちゃんって呼んでごめんなさい」
作「いや、作ちゃんで大丈夫です」
「そう？じゃあ、作ちゃん」
そう口にすると彼は照れたように口角を上げた。
また目が合うと、彼は「あの、ご注文は・・・？」って私に問いかけてきて。
私は少し考えて、「やっぱ、やめとくね」って微笑んで席を立った。
作「あ、そうですか・・・」
彼は眉毛を下げると私に「ありがとうございました」って頭を下げた。
長身で、顔立ちが大人っぽくて、落ち着いてて、15歳には見えないなあとその横姿を見て思った。
・
・
・
雄「A遅いんだけどっ」
優「まったく！どこ行ってたんだ！」
Wゆうとの弟コンビ。
玄関で任王立ち。
ちょっと前まではどっちも制服姿だったのになと笑みを零して「ご飯ぐらい自分で作れるようになろうよ」って口にすると、「えーAのご飯じゃないと俺大きくなれなーい」と優斗が反論してくる。
「十分大きくなったでしょ(笑)」
優「もっと大きくならないとどっかの誰かさんが見てくれないんだもーん」
「アピールが露骨だな」って顔を顰めると、雄登は「Aって勿体無いことするよね」って笑った。
「うるさいですぅ」
雄「優斗くんだったら俺オッケーするよ？」
「なにそれ、誰目線？」
優「義弟よ！持つべきは那須雄登だな！これからもよろしく！」
雄「いえーい！(笑)」
ご飯を作りながらテンポよく繰り広げられる会話に耳を傾けてると、私は「あ、雄登」とダイニングに座る弟に目を向けた。
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ゆっきん☆(プロフ) - お話、ワクワク、ドキドキしながら、読ませてもらっています。続きが気になって途中で中断しなくちゃいけないときは早く続きが読みたくてソワソワしちゃいます。めちゃんこ、面白いです！！ (2021年10月10日 20時) (
レス) @page49 id: 6a5a4dc15b (このIDを非表示/違反報告)
しず(プロフ) - あらんですよね、？笑 (2019年5月24日 17時) (レス) id: 56d3701af2 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 大好きすぎます！らぶはうすからずっと愛美さんの物語を読ませて頂いていますが、カラクリが見えていく感じも、心情が繊細に描かれている感じもすんごく好きです！楽しみにしています！！ (2018年11月18日 0時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき音 - 面白くて一気読みしてしまいました〜！作ちゃん沼に落ちてしまったお姉さん（笑）なので自分と重ねて見てしまいます…更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年11月16日 18時) (レス) id: 2587946e14 (このIDを非表示/違反報告)
chii(プロフ) - 更新停止されちゃったのかと思って、1ヶ月前から毎日チェックしてました！！おひさしぶりです、！はやく続きよみたくてうずうずしてます〜 (2018年10月30日 20時) (レス) id: 130f1a370d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛美
| 作成日時：2018年8月17日 0時
