13 え…。まさかもうそんなことを…?! ページ15
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本来、マネージャーが笛を鳴らすなんてことは滅多にない。
だが、笠松先輩が、引っ込み思案な私のことを気遣って、ホイッスルを渡してくれた。
大声を出すなんて簡単なことができない。これじゃマネージャー失格だ。
でも、みんな私のことを認めてくれている。それがすごく嬉しくて、つい、こういう好意に甘えてしまう。
笠松:森山、少し頼む。
森山先輩に頼み、リコ先輩を見つけて急いで走ってくる。
笠松:す、すすす、すい、ませんっ!?
リコ:相変わらずなのね、Aちゃん。
A:え、えぇ…。私にはずいぶん慣れていただけたみたいですが…。
やっぱり、笠松先輩は女の子が苦手なようです。
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笠松:「合同研究会」、な。
リコ先輩が持ってきたお話は、「合同合宿」ならぬ「合同研究会」だった。
要するに、ある程度試合ができる高校を集め、そこで試合を組み、ゲームをしてもらう。そして、各高校の顧問やマネージャーが相手校の弱点や型を見つけるわけだ。
リコ:私たちと練習試合を控えてる海常さんには是非参加していただきたくて…って、大丈夫ですか?
A:先輩、お気を確かに。
笠松:あ、あぁ。え、っと。何でしたっけ。
ダメです。もう動揺が隠しきれてません。しかも話の内容に追いつけていません。大丈夫なんでしょうか…。
先輩は練習に戻っていただいて、私が話を聞けば…。
リコ:そう、ね。女の子が苦手なのに、無理矢理呼んだのがダメだったわね。先輩には戻っていただくとして、私たちだけで話し合いましょう。
A:そうとなれば、一旦戻りますね。そろそろ休憩を入れなくちゃいけなくて…。
リコ:分かったわ。ここで待ってる。
リコ先輩、優しいです。本当に可愛いし、優しくて頼れるお姉さんみたいです。
笠松:な、なんか悪いな…。
A:いえいえ。気になさらないでください。
一緒に体育館に戻り、私はホイッスルを2回鳴らした。これで、全員集合の合図だ。
A:これから休憩に入ります。休憩は15分間とします。それと、私はしばらくの間抜けるので、何かあったら主将にお願いします。
黄瀬:えっ、いなくなっちゃうんスか、Aっち。
A:ハイ…。何か、不都合でもあるんですか?
黄瀬:い、イヤ?!
やけに慌てる黄瀬君を見て、私はリコ先輩の元へ戻った。
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作者名:歪 | 作成日時:2013年4月4日 21時