番外編1 皇帝と王さま 1 ページ32
どうやら、Aは想い人に気持ちを告げる事が出来たらしい。
でもまさか、瀬名くんだったなんて…。
実はね、昨日の放課後見てしまったんだ。
王さまとAが抱き合っているところ。
遠目に見ただけだから会話は聞こえなかったけれどね。
……おや？あの橙色の髪は…。
「やあ、王さま」
やっぱり。メモ帳片手にひとりで騒いでいるのは月永くんだった。
「何をやっているのかな？」
「そっちこそ」
作曲の邪魔をされたからなのか、単純に僕の事が嫌いなのかはわからないけれど、すごく不機嫌そうな顔をしている。
「散歩だよ。また作曲？」
僕が問うと、「見ればわかるだろ」と更に顔を歪ませた。
「ところで君は、Aが好きなのかい？」
唐突に質問を投げかけると、王さまは目を見開いてこっちを見た。
ただ、本当にそれだけで特に何の反応も見せなかった。……面白くないね。
そう思った僕は、今すぐにどこかへ行ってしまいそうな彼に、再び言葉を紡ぐ。
「昨日の放課後、君たちが抱き合っているところを見たんだ」
すると、足を止めてこちらを振り返った。
「Aと一緒に帰る時も何だか様子が変だったしね。だから、もしかしたら君と何かあったかと思って僕が」
「一緒に帰った…？」
僕が話していると、王さまが口を挟んだ。一体、どうしたのだろう。
「お前、Aと一緒に帰ったって…？」
「うん。あ、敬人とも帰ったよ。なんだい？幼なじみが一緒に帰るのがそんなにおかしいかい？」
素朴に疑問だったから、そのまま問いかけたのだけれど、王さまはどんどん眉間に皺を寄せていった。
もしかして、Aはこの事を言ってないのかもしれない。
…なら、僕が全て教えてあげようか。
「王さま。僕と敬人とAは幼なじみなんだ。そして…Aは、僕の許嫁なんだ」
あくまで微笑みながら。
ほら、驚いたような顔をしている。
そんなに心配しなくてもいいよ。
『元』許嫁だから。
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水猫桜(プロフ) - ほたるさん» コメントありがとうございます！瀬名さんのツンデレ具合を上手く表現出来るよう頑張ったので、可愛いと言っていただけてとても嬉しいです！初のあんスタ作品ですが、楽しんでいただけたなら幸いです(*^^*) (2017年8月25日 17時) (
レス) id: 1dfbcfc948 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - 瀬名さん！！！可愛すぎかよ！！！完結おめでとうございます！！！ (2017年8月25日 16時) (レス) id: 836cda0430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水猫桜 | 作成日時：2016年9月19日 13時
