２１ 真実 ページ24
レオは辛そうに笑っていた。
今まで見たことのない表情に泉の方が戸惑ってしまう。
「え？なんで？ていうか、いつから付き合ってたの？」
この際、いつから付き合ってたのか聞いてみることにした。
「……い」
「もう、喋るならしっかり喋ってよねぇ。聞こえな」
「付き合ってない！！」
辛そうだと思ったら、今度は怒鳴られた。
それよりも。
「は、はぁ？言ってる意味がわからないんですけどぉ…？」
怒鳴られたのも驚いたが、何よりも今のセリフの方が驚いた。
泉が驚きで何も口に出来ないでいると、レオはバッと深く頭をさげた。
「え？今度は何？奇行が過ぎるよ、王さま…」
「悪い。俺、お前を騙してた。ホントは付き合ってない。Aも嘘ついてた」
次々に飛び交うカミングアウトに頭がついていかない。色んな情報が脳内で暴れ回る。
「何言ってんの…？じゃあ、フられたって何？」
「………告白は…した」
「は！？」
「でも…俺って臆病だからさ。『嘘だ』って…言ってしまった。それに」
あいつの困った顔を見たくなくて。
そんな事までは言わなかったが。
「…あんたがフられようと関係ないけどさぁ」
口調を強めに、泉が切り出した。
「なんでわざわざ嘘ついてまで『付き合ってる』とか言ったわけぇ？」
隠す事もなく、泉はイライラしている。
「それ言ったら意味ないんだよなー」
さっきまで辛そうな顔してたのに、気づけばヘラヘラ笑うレオがいて、それさえがさらにイライラを増していた。
「実際、気づいた事もあるんじゃねーの？」
レオは最後に意味ありげな事を言って部屋を出た。
途端訪れる静寂。これまでの話を振り返ってみても、やはりイライラの燃料となるだけなので、もう考えるのを止めた。
だけど、レオの最後の一言は消えないわけで。
「……ああ。お陰様で気づいたよ。自分の気持ちに」
なんて事を、孤独な空間の中でポツリと呟いてみる。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
レオさんの性格が迷子。
すみません、あんずさんは帰宅してます。
Aさんとレオさんが部屋を出た時に泉に言われて帰りました。
説明不足ですみませんでした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水猫桜(プロフ) - ほたるさん» コメントありがとうございます！瀬名さんのツンデレ具合を上手く表現出来るよう頑張ったので、可愛いと言っていただけてとても嬉しいです！初のあんスタ作品ですが、楽しんでいただけたなら幸いです(*^^*) (2017年8月25日 17時) (
レス) id: 1dfbcfc948 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - 瀬名さん！！！可愛すぎかよ！！！完結おめでとうございます！！！ (2017年8月25日 16時) (レス) id: 836cda0430 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水猫桜 | 作成日時：2016年9月19日 13時
