１０ 悲しい ページ11
「ちょっとぉ…俺のゆうくんに気安く触らないでくれる〜？」
「うげぇ、泉さん…」
真があからさまに嫌そうな顔をした。
「ああ…ゆうくん、やっと会えた。しばらく会えなかったから、避けられてるのかな〜なんて思ってたけど…」
(その通りだよ)
Aは心の中でツッコんだ。
嫌がる真と、顔を紅潮させてベラベラ喋る泉を呆れながら見ていると、後ろから声をかけられた。
「ああ…あんたが転校生？」
そうです、と少し遠慮がちに頷く。
「私はね、新宮A。プロデューサーだよ。わかんない事があったら何でも聞いて！」
えへん、と胸を張って言うと、よろしくお願いします、と微笑んでいた。
(何この子！めっちゃ可愛いやん…！！)
「えと…あんずちゃん、でいいのかな？さっき泉にいじめられてたけど大丈夫？」
「はぁ？人聞きの悪い事言わないでよね〜。いじめたわけじゃないし」
「もうゆうくんはいいのか？」
「あんたがゆうくんって言わないでくれる〜？綺麗なゆうくんが汚れる…」
(…いや、呼び方だけで汚れるって何だよ…)
Aが呆れていると、「大丈夫です」とあんずが言った。
「そう言うわけだから、あんたには何の用もないからぁ〜」
「はぁぁ！？今のはムカついた！！泉のばーか！ワカメ！」
しかし、どれだけ文句を言っても、泉は振り返らなかった。
(いつもなら文句言い返すくせに…)
何だか、とても悲しい気持ちになってしまった。
(変なの…話してるとムカつくのに、こうやって無視されると凄く悲しくなるなんて…)
一体、自分は何がしたいのだろう。
泉に何を求めているのだろう。
晴れることのないモヤモヤは、心に停滞したままだった。
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水猫桜(プロフ) - ほたるさん» コメントありがとうございます！瀬名さんのツンデレ具合を上手く表現出来るよう頑張ったので、可愛いと言っていただけてとても嬉しいです！初のあんスタ作品ですが、楽しんでいただけたなら幸いです(*^^*) (2017年8月25日 17時) (
レス) id: 1dfbcfc948 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - 瀬名さん！！！可愛すぎかよ！！！完結おめでとうございます！！！ (2017年8月25日 16時) (レス) id: 836cda0430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水猫桜 | 作成日時：2016年9月19日 13時
