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Aが向かった先は保存室だった

水辺に近づき、のぞき込む

そこには自分の顔が写り、波によって少し揺れ動いていた

「……目、紅くなってたのか」

だからあの時2人が驚いた顔してたんだな

そう思ってAは顔についていた返り血を落とすために顔を洗い始めた

一人だけの空間にバシャバシャという音が響く

落とし終わっても、Aはジッと水面を見つめる

俺は……守っただけ


そう、守っただけだ


決して好きで殺したんじゃない


なのに……


「……タバコ」


Aは1本取り出し、それに火をつけ煙を吐き出す

先程の出来事を忘れようとするかのように


「……母さん…俺は、守ってるだけ…だよな…?」


今は亡き母親に問いかけるA
しかしそれは、自分自身に問いかけているようにも見えた


その時


「ーーこんなところにいやがったのか」


「!」


Aは驚いて声の方に顔を向けると、そこにはザックが立っていた

「……レイはどうした」

「あー?アイツは寝てる」

「そうか…」


「……お前、名前なんていうんだ?」

唐突にザックがAに名前を尋ねる
それに彼女は眉間にシワを寄せる

「…何でだ?」

「いいから教えろ」

「A。A・キサキ」

「そうかーーなぁ、A」


彼はAの名前を呼び、彼女に近づいていく

そして、持っていたタバコをひったくる

「おい!」

Aはその行動に声を上げた
そんなのは気にせずザックはタバコを吸った

「うわ!にげ!!お前こんなん吸ってんのかよ…」

「別にいいだろ…お前には関係ない」

「そうだけどな……でも、こんなとこでウジウジしてんなよ」

ザックは再びタバコに口をつける

「お前、レイのこと守るって決めてんだろ?だったらいいじゃねぇか」

ま、外に出たら俺が殺すけどな

そう笑いながらAに言うザック
聞いたAはうつむく

「お前に、何がわかる…」

「あ?」

すると突然、Aはザックの胸ぐらを乱暴に掴んだ

「お前に何がわかるんだ!!確かに俺はレイを守ることを誓った!だけど……」

掴んだ服をさらにきつく握る

「アイツを殺した時、俺はとてつもない高揚感を感じた……俺は…自分のために…」


その時、1粒の何かが彼女の顔から流れ落ちた


「なぁ、教えてくれよ…俺は…どうしたらいい?」

彼女はザックに顔を上げた
流れ落ちたものは、それでわかった

Aの目から無数の涙が流れていた


それを見たザックはAをギュッと抱きしめていた

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黒リンゴ - お、面白いぃぃ! サクヤ様貴方は神ですかぁぁぁぁ((殴 煩いですね。 すみません!続き待ってます!! (2016年11月26日 15時) (レス) id: 7688b32a06 (このIDを非表示/違反報告)
フラン - 続きを・・続きを恵んでください (2015年11月26日 18時) (レス) id: b29f2ef4df (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 進化★さん» ありがとうございます(*^_^*)Ep.2の方も更新中なので、そちらもよろしくですm(__)m (2015年10月31日 17時) (レス) id: 6a94c13df9 (このIDを非表示/違反報告)
進化★ - マジでメチャクチャ萌えました(><)特に、ザックが抱きしめてくれる所とかは、鼻からケチャップが… (2015年10月31日 17時) (レス) id: a2fedb4541 (このIDを非表示/違反報告)
殺戮の天使最高 - うわぁあああ、メッチャクチャ萌えました( ´:ω:` )2話配信されて全部見て泣いてた気持ちが少し楽になりました(´;ω;`)素晴らしい作品過ぎて評価の☆無限大につけたいぐらいです… (2015年10月13日 1時) (レス) id: d1320c0929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクヤ | 作成日時:2015年9月9日 20時

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