【美風藍】ボクのパートナー

OK…？ ページ6

藍：君は昨日の…何か用？


部屋に入ると奥の椅子に座っていた美風先輩がパソコンを打つ手を止めることなくきいてきた。


A：はい、実はパートナーの件なんですが…。


私がそう答えると美風先輩はピタッと手を止めてこちらを向いた。


A：美風先輩にお願いしたいのですが引き受けてもらえますか？


私は意を決して告げた。




藍：…どうしてボクとパートナーを組もうと思ったの？



美風先輩は返答するかわりに私にその理由を尋ねてきた。


A：それは…先輩の歌を…聴いたからです。


私は昨夜聴いた美風先輩の歌声を思い出しながら更に言葉を続けた。


A：美風先輩の歌声はとても綺麗で儚くて…でも強さも感じられました。もちろん他の皆さんの歌声からもいろんなものが感じられました。


美風先輩は黙って私の言葉を聞いている。


A：でも…うまくは言えませんが私には美風先輩の歌声が、一番心に届きました。だから…美風先輩にパートナーをお願いしたいんです。






私が言い切ると少し間をあけて美風先輩が静かに話し出した。



藍：そう…合理的な説明ではないけど、理由はだいたい分かった。ただ、ボクとパートナーを組みたいって言うなら甘やかすつもりはないから、覚悟してよね。

A：えっと…それは引き受けて下さるということでしょうか？


具体的にOKというような言葉がなかったため私は戸惑ってしまった。


藍：それ以外の返答に聞こえた？大体ボクは昨日、社長命令だから仕方ないけど引き受けるって言ったよね。

A：あっ…えっと、じゃあ…よろしくお願いします！

藍：ん、よろしく。




あまり好意的な態度ではないけれど美風先輩はパートナーを引き受けてくれた。


これから大変だということは分かっていたけれど、私はとても嬉しかった。

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