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あの時よりー藍side− ページ37

目の前でAが目を見開いた。



「…夢みたい…です」


「…何が」


「先輩が…」


「……」




ボクはAにゆっくりと顔を近づけた。



そしてAの唇に、自分のそれを重ねた。

Aが小さく声を漏らした。



「ん…」



上唇を軽く包み込んだ後、下唇を少し強めに、音を立てて吸った。

初めて触れたAの唇は柔らかかった。



そっと顔を離すと、Aの頬が赤く染まっていた。


至近距離で熱を帯びた瞳をのぞき込み、軽く笑みを浮かべて問う。



「夢じゃ…ないでしょ?」


「……」


「どうしたの」


「……」


「……」



もう一度、短いキスをすると真っ赤な顔を隠すように布団に潜ってしまった。


身を乗り出して、布団ごしにAの両側に手をつく。

布団の中で僅かにAが反応した。



「…先輩」


「何」



Aは布団から顔を半分だけ出して、恥ずかしそうにボクを見つめた。



「今日も、あの時みたいに…一緒に寝てくれますか?」


「……」




こんなに可愛く誘われて、断る方法があるなら教えてほしい。


というか…一応、ボクが男だって分かってるの。


きっと、そんな気はこれっぽちもないだろうな…まったく、無防備すぎる。


目の前のコレはボクが思っていた以上に強敵のようだ。




パソコンをスリープモードにして、ベッドに潜り込むとAが抱き着いてきた。


ボクはあの時のように、しっかりとAを抱きしめた。

そして、あの時と同じように…いや、あの時は君に届かなかった言葉を囁く。




「…おやすみ」


返事の代わりに、Aがぎゅっと強く抱き着いてきた。


それからあの時より、もっと優しく、愛おしく、大切に、Aの額にキスをしてから、ボクは目を閉じた。

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美風藍 - とても「キュンキュン」しました(≧∇≦)続きが楽しみで (2015年2月10日 0時) (レス) id: d1981d3c2a (このIDを非表示/違反報告)
佐久間照美♯佐久美(プロフ) - モカさん» お待たせーしましたーほーしを夜空へー((ごめんなさい。ふざけました。本当にお待たせしました!! (2014年7月28日 10時) (レス) id: 0858bc9946 (このIDを非表示/違反報告)
モカ - あの…続き……待ってます、ね?(^^;) (2014年7月10日 23時) (レス) id: 12df83e083 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間照美♯佐久美(プロフ) - モカさん» そうですね(笑)翔ちゃんだとシリアスが…壊れますね(笑)でも、それが翔ちゃんです!!頑張りますっ(^^)!! (2014年6月22日 20時) (レス) id: 0858bc9946 (このIDを非表示/違反報告)
モカ - 翔ちゃんの反応wwアイドルというより、バライティですよね!カワイイすぎるよぉ(^q^)オゥフ更新頑張ってください!! (2014年6月22日 6時) (レス) id: ba09b8b0f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐久間照美♯佐久美 | 作成日時:2013年12月26日 11時

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