【美風藍】ボクのパートナー

捜索作戦ー藍side− ページ14

ボクはAが向かったはずの南口玄関ホールにやって来た







………が、





藍：いない…。





あたりを見回しても彼女の姿は見当たらない。




というかそもそも彼女どころか人の姿が見当たらない。




どうやら今日は南スタジオは全て使われていないようだ。




しかし、これでは誰かに尋ねる事も出来ない。








藍：どうするかな…。








ボクは名瀬A捜索作戦を考える。





作戦その１、連絡をとる。





ボクは携帯を出しかけてやめた。



確か彼女のカバンはスタジオの隅にあったはず…。



したがって電話を掛けたところでスタジオにあるカバンから着信音がするのがオチ。



というわけで作戦その１は破綻。





作戦その２…





ボクが考え込んでいると、突然ホールの照明が消える。





藍：…？停電か…。






停電。



そう珍しい事でもないけれど、今は雷なんて鳴っていないし原因がすぐに思い当たらない。









―――――ガシャンッ―――――








何かが落下したような音と続いて「ひゃっ！！？？」という小さな声が聞こえてきた。





まさか…さっきの音…








藍：っ…A！？








急いで声が聞こえた方に向かうと暗闇の中にうずくまる小さな人影が見えた。








A：っ…誰かっ…！！






Aの声を認識して傍に駆け寄る。






藍：A！！







良かった。どうやらケガはなさそうだ。




だけど彼女は涙目になって震えていた。









A：美風…先…輩…









彼女が今にも消えてしまいそうな声で僕の名前を呼んだ。









ボクはうずくまっている彼女を暗闇の中でそっと抱きしめた。

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