【美風藍】ボクのパートナー

15分前ー藍side− ページ12

翔：おっ藍。お疲れー。



撮影がひと段落して休憩に入ったボクに翔が声をかけてくる。



藍：うん、お疲れ。…あれ、Aは…？



確か翔と那月と一緒のテーブルにいたはずなのに…。



那月：あぁ、Aちゃんならさっき資料を貰いにって、南口の玄関ホールに向かいましたよ。



ボクの問いに那月がこたえる。



翔：そうそう、確か15分前くらいに…ん？そういえばアイツ、少し遅いなぁ…。



翔が首をかしげる。





15分前…。


たしか南口の玄関ホールまでなら彼女の歩く速度から考えても1分あればつく距離だったはず。


余裕をもったとしても往復で３,４分あれば良い。





那月：そうですねぇ…心配です。



那月が彼女を探しに行こうとしたのかイスから立ち上がった。




そのとき、ちょうどスタッフから声がかかる。



スタッフ：来栖君、四ノ宮君。次いける？




二人が同時に「はい！」と良い返事をした。




うん、ちゃんと習慣になってる。


マスターコースで、この辺の基礎から鍛えただけの事はある。





翔：わりぃ、藍。俺等、次みたいだからよ…その…Aの様子、見に行ってやれよ。 アイツ、お前の分の資料も貰ってくるって言ってたし…パートナーだろ？



翔がなぜだか少し言いにくそうに言った。




ボクは少し考えてからこたえる。





藍：そう…だね。どうぜ迷子かなんかだろうけど。




呆れながらもそう告げると、翔はホッとした顔をした。





「じゃあ、よろしくな」と言って、翔は那月と一緒に撮影に行く。







よろしくって…彼女のパートナーはボクなんだから…当然だと思うんだけどな…。




翔の発言を気に留めながらも彼女を探すべく、ボクはスタジオを後にした。

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