呪いの王となる前の。【宿儺】

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ﾄﾝﾄﾝ
貴｢宿儺様、ｺﾞﾎｯ、入っても、いいですか？｣


宿｢？ あぁ、良いが…今日は随分早いんだn

！

どうしたんだ！フラフラではないか！｣



貴｢ｺﾞﾎｯ、風邪が悪化してしまって…それで、｣

宿｢分かった、布団に運ぶ。とりあえず今すぐ横になれ。｣

貴｢あ、じ、自分で歩けま、ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ｣

宿｢いいから、大人しく運ばれていろ｣



宿儺様は壊れ物を扱うように、私を抱き上げ、優しく布団の上におろしてくれた

そして横になることを促すように、私の首元までしっかりと掛け布団を掛けた









貴｢……すみません｣

宿｢何に対しての謝罪だ？｣

貴｢えっと、家事は全然終わってないし、｣

宿｢そんな事は気にしなくて良い｣

貴｢…布団も使ってしまって、｣

宿｢布団なんていくらでもあるだろ｣

貴｢……宿儺様の時間も邪魔してしまって、｣

宿｢特に何もしていない。お前を待っている間の時間潰しに過ぎん。｣





貴｢………宿儺様に迷惑をかけてしまって、ｸﾞｽﾝ｣

宿｢泣くな。

それに、誰が迷惑だと言った？
俺は少しもそんな風には思ってないぞ。｣

貴｢………｣





宿｢強いて謝罪を求めるとするなら、

こんなに悪化するまで、俺の所に来なかったことだな｣

貴｢あ……｣

宿｢だが、今までなら倒れるまで俺には頼らなかったろう

少しは進歩したと思って良いんだろうな？

まぁだが、それでもまだまだだ。








もっと俺を頼れ、A。｣

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