【銀魂】沖田くんと彼女さん３

120.長くない ページ32

Aside

屯所に戻ってきてお兄ちゃんの部屋に行ってみたけどそこにはいなかった。


稽古場の方から竹刀どうしがぶつかる音が聞こえてくる。

A「こんな時間にいったい誰が？」

気になって駆けつけて見れば探していたお兄ちゃんと総悟の姿がそこにはあった。

二人は何か話をしているみたいなので私は物陰に身を潜めて様子を伺った。



土方「そいつァ俺に奴を見逃せと言っているのか。」

沖田「あら、そうに聞こえませんでしたか。」

奴とは蔵場当馬のことだ。どうやらお兄ちゃんは気づいていたらしい。それでもって一人で抱え込んで片付けようとしてたんだ。


土方「今のことは聞かなかったことにしてやる。気が失せたあとは一人でやりな。」

背中を向けたお兄ちゃんに対して攻撃を仕掛ける総悟。

沖田「まだ話は終わっていやせんぜ。」


土方「？！.....てめェ、寝ぼけてんのか。」

間一髪で避け、再びお兄ちゃんが構えたとき、総悟が頭をぽりぽりかきながら話始めた。

沖田「もう、長ェことねぇみたいなんでさァ....やってられねーよ。小さい頃から、病弱な身体起こして俺とAの世話をして、自分のことほったらかしで....」


確かにミツ姉は私のことを本当の家族のように育てくれた。いつも私のことを妹のように可愛がってくれていた。

沖田「ようやく幸せを手につかんだと思ったら...せめてよォ、死ぬ前に人並みの幸せ味わわせてやりてーんですよ。」


私だってミツ姉には幸せになってほしい.....けど.....

沖田「見逃せとは言わねェ、けど、ちょっとだけ時間を....土方さん、姉上がずっと結婚しなかったのは、アンタのこと...」

土方「取り引きは明日の晩だ。刀の手入れしとけ。」

121.頑固で不器用、そして→←119.葛藤

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す