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太宰さんがやっと足を止めたかと思うと着いた場所は「うずまき」
慣れた足取りで中に入り、おばさんに挨拶をして席に着いた
太宰さんは私の代わりにココアを頼んでくれた

「それで私を呼んだ訳は?」

太宰「言ったじゃないか!”今度2人で話しよう”って」

「嗚呼…」

そういえば言ってたような…
目の前の人はニコニコと此方を見て楽しそうにしている

「何か面白いですか?私の顔見て」

太宰「いやぁ…大人になったね」

「…やめて下さい」

太宰「顔赤いよ?にやついているし」

「にやついていません!」

太宰「フフ…ところでそのループタイ…」

「嗚呼これですか?何処かの誰かさんから貰ったんですけど保管してるだけだと勿体ないかと思いまして」

そう言ってスカイブルーの輪郭をなぞり少しはにかむ
太宰さんは目を見開いた後嬉しそうに「そうかい」と言った
そこに丁度ココアとコーヒーが来て一口飲む

太宰「美味しいかい?」

「美味しいです…」

ココア何て初めて飲んだ
あそこではコーヒーや紅茶と言った飲み物しかなくこんな甘い飲み物なんてない
甘いものと言ったら姐さんのお菓子だろうか

太宰「…実はね、君の事はある人からずっと聞いてたよ。マフィアの知人から」

「まだ関係を断っていないんですか?」

太宰「断っていないというか…普通に仲のいい人なのさ。君の様子をちょくちょくメールで教えてくれてね」

果たして誰の事を言ってるのだろうか
私はその正体を突き止める気はないが正直気になるところはある
が、太宰さんの話に耳を傾けることにした

太宰「その人もね、私に云ってたんだ。君に言うことがあるのでは?ってね。正直私が君と仲直りできたのもその人のおかげだったりするんだ」

「随分仲がいいんですね」

太宰「嗚呼、お世話になったよ」

懐かしむように話をしてコーヒーを啜る

太宰「…もう少し肩の力を抜き給え。中也に話すみたいに明るくていいんだ。私は君をもう打ったりしない」

その言葉に私は肩が跳ね上がった
私は仲直りして尚恐怖していたのか…私自身気が付かなかった
太宰さんも今の私を見てそれを感じ取ったのか苦笑いでため息をついた

太宰「相変わらず馬鹿だね」

「うっさいです、もう太宰さんの住所ばら撒きます」

太宰「やめて!?」

それからは日常での世間話をした
話をしている太宰さんを見てなんとなく
”光”の場所で楽しくやっているんだなと思って嬉しくも苦しく感じた
その理由は分からなかった

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*憂鬱*(プロフ) - 天さんさん» コメント有難う御座います!面白いなんて言って頂けて光栄です( *´艸`)更新頑張ります!! (2016年12月24日 15時) (レス) id: fbd96ddd79 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - 最初から全部読みました!!すっごく面白いです!更新頑張ってください!! (2016年12月24日 4時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
*憂鬱*(プロフ) - 白兎@執筆準備期間中さん» コメント有難う御座います!そう言って頂けて幸いです(*´ω`*)更新頑張らせて頂きます!ご贔屓宜しくお願い致しますm(__)m (2016年12月10日 13時) (レス) id: fbd96ddd79 (このIDを非表示/違反報告)
白兎@執筆準備期間中 - 一話から読ませていただきました(*^-^*) とても面白くて夢主ちゃんが可愛くて大好きです! 応援しています、これからも更新頑張って下さい! (2016年12月10日 1時) (レス) id: b4bc07280a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*憂鬱* x他3人 | 作成日時:2016年12月9日 23時

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