第397話 ページ8
左馬刻side
左「…」
昨日東方天乙統女の話を聞いて、乱数がマインドハックするためだけに生まれた人間だってのは分かってた
でも乱数が自分のやっている事を知っていたのは実際にやっている現場を見たからに違いないと思っていた
乱数が複数人いる事は昨日の話で何となく分かっていた
なぜなら乱数は真正ヒプノシスマイクを使う度に命を落とすはずだから
だがこの乱数はオリジナルで、これまで一度も死んだ事のない乱数なのに、死んだ乱数と記憶を共有しているとの事だった
そしたらこいつ、死んでないのに死んでる記憶も持っている事になるし、何なら自分は何もやっていないのに他の乱数がそうしたせいで一方的に悪者にされてたという事になるではないか
そんなのが辛くない訳ない
そんな辛いのを俺はよく知りもしないで乱数の事恨んでしまっていたのか
確かに乱数のやってきた事を許せないと言えば許せない
でも実際のこいつが何もやっていないなら俺は少なくとも今目の前にいる乱数には責める事ができない
こいつ、他の自分がやった記憶はあるにせよ、自分自身は手を下していないし何なら自分の意思でそうしたかった訳ではないのに他の自分が勝手にやってしまっていたと思ってるかもしれないから
衣緒やルークの多重人格にせよ、乱数の記憶の共有にせよ、自分が自分でなくなる事は怖いと思うしそんな事避けられるなら誰しも避けたいだろう
それにそんな事させてくるあの女達を俺らなんかよりよほど嫌って恨んでいるだろう
昨日はああいう方針で話を進めていたにしたって、やはり内心は殺したくて仕方ないはずだ
6人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユウ | 作成日時:2020年6月9日 20時