第309話 ページ35
−−−−
ある世界において、私は1人の先輩を死なせてしまった
オーバーブロッドが原因で、というよりは先輩達のオーバーブロッドの後に出てきた黒い石をグリムが摂取してしまった事が原因で
レオナ「ッ!!」
フロイド「アザラシちゃんッ!!」
誰も暴走するその幻獣を止められなくて、学園は崩壊の危機に迫る
だけどそれを一身で受け止めて、あの日ヴィル先輩を相手にしてやった事と先輩は同じ事をしていた
自分が標的になって、一身にオーバーブロッドを起こしたグリムを庇うようにして、隙を作ってその間に私達にグリムを落ち着けさせるという戦法で
監督生「先輩ッ!!」
命の火が消えていって、血に塗れる先輩を見て私達は何を思うか
ある者は当たり前の結果であると、ある者はその結果が来る事をどこかで分かっていたと、ある者はそうならずにいても時間の問題でどうせ彼女は死んでいたと誰もが諦めた
それでもその人のいない世界の事を本質的に認める気にはなれなくて、皆その存在がいかに大きくて自分達に馴染み深かったのか後になって失ってからから理解していたんだと思う
世界から愛されて、愛されるために生まれた誰かの未来を奪うのは、果たして悪役(ヴィラン)なのか死神なのか、あるいは世界自体なのか
その問いかけに、私達の出せる答えはない
『…ユウちゃん』
監督生「ッ!!」
『…ちゃんとしっかり帰って、好きな子に会うて、ほんで自分との約束しっかり守りや
守れなくてごめんな、ユウちゃんとの約束…』
監督生「…ッ…!!
…許しません、絶対に許さないですから…ッ…!」
『…』
監督生「先輩も一緒に帰るんです、元の世界にッ!!
…ねぇお願い、先輩も生きて…」
その終わりに納得がいく者がいないのであれば、世界と立ち向かってでも私達で未来を切り拓くより他にない
この世界、そして物語の本当のハッピーエンドを見るために
監督生「…ナオちゃん、お婆ちゃんの話を聞いて…
…世界を救う英雄をお願い、見つけ出して…」
ナオ「…」
監督生「誰も死んで消える事のない、本当のハッピーエンドを見たいの…」
物語はまだ終わらない
僅かに残された時間で、私達には何ができるのか
英雄は本当に世界を救えるのか
ナオ「…分かった、必ずやる」
監督生「…ありがとう」
変わっていく世の中に未来への希望を託して、ある時私はそうして自分の一生を終えていた
16人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲樹(プロフ) - まさかの監督生と出身同じで軽く運命感じてます!これからも投稿頑張ってください! (2021年12月2日 12時) (レス) @page29 id: b53a17c756 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユウ | 作成日時:2021年8月30日 7時