キミとお前と、俺の見ている世界2 (ページ46)

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第90話ページ46

けどまぁ所詮は週に一度だけの巡り合いやし、初見の印象が悪い言うても慣れると相手がどんな人間か分かるからだんだんウチらは一定間隔の距離っちゅーもんを掴むようになる

ウチらが巡り会ったそのセンセはウチらにいつでも他人行儀で、性格は決して良うないけど特別に悪いのとも違うしウチらを別に嫌っているのとも違う

単に「ウチらに興味がない」だけの人物と分かってきて、それが分かると双方互いに期待を抱かないだけになる

生徒1「普通に居眠りしてても怒られないんじゃね？」

生徒2「隣のクラスの奴普通に居眠りとか内職とかやっとるらしいで

でも技能試験はしっかりしてはるって」

生徒3「うわ、それマジ？

あいつ性格悪くね？」

成績はその人の技能とか自分の努力を数字で冷徹に伝えて、ウチらの高校は100点評価の高校やったから割と真面目にウチらのやり方を評価される

音楽だけやのうて他の科目もそれはそうで、ウチはそないリアルな数字で自分らを評価される成績表と1学期の終わりに巡り会っていた

『…うげ…音楽68点て…

国語は99点やって言うんに…』

リコーダーが子供の頃から死ぬ程苦手なウチは、試験前にそれなりに自分で練習したつもりだったけど結果としてそないええ成績を与えられはしなかった

だけどまぁ1年の成績はこの瞬間が全てとは違うってウチで考えて、なら2学期はまたウチで頑張ろうなんて思って深追いしないでいた

というより、身の程なんて自分が1番に理解して然るべきやし、その点も変やないとウチで妙に納得行ったんやって思う

『…なんか、案外よう見てるんやな

他人行儀な性格してはるんに、人の評価の基準はしっかり持っとるんやな…』

そない言葉を漏らす反面で、だんだんウチはそないセンセにある一定の違和感を抱いていた