ウチとアンタと、キミの言の葉

第7話 ページ10

−−オクタヴィネル寮にて−−


『遅れてすんません

ウチも今日からここで生活する事になったわ』


色々喋る鏡から説明を受けたんやけど、あの鏡の言う事は真理やったんよ


寮は各々信念やとか精神やとかが存在してるみたいで、そのどれもがウチにはピッタリとは当て嵌まらへん


例えば規律重視の寮がある言われたけど、ウチルールでカチカチとか苦手やし


不屈の精神を掲げる寮なら、ウチは諦め早い性格してる部分があって嵌まらん


慈悲、熟慮、奮起、勤勉、高尚…そのどれもがウチを的確に表現する言葉とはちゃうねん


『…なぁ鏡さん、漫才ばっかりやってる剽軽な寮とかあらへんの？』


学園長「ある訳ありますか！！

うちを何だと思っているのです！？」


ウチの性格は一言で表すのは難しいかもしれへん


でも自覚してる自分の事を言うんなら、ウチは楽しくて面白おかしい毎日を送る事が基本的には好きや


それでも、変わらへんものがあるなら変わらんままでいてもらいたいなんて思う我儘も抱えてる、人に「掴みづらい」言われても可笑しくない性格してる自覚はある


だって、何が起こるか分からん世の中で生き抜くには変わりゆく物にいちいち目なんて向けてられへん


変わったら二度と元になんて戻らんねや


ウチの両親の関係が、かつてそうだったみたいに


『…ほんなら他に特徴あらへんの？

カッコイイ人間が多いやとか、こういう人が多いやとか…』


鏡「我は魂の形で選別を行う

故にどの者もその精神に見合っている性格をしてる」


『ほーん…つまりどういう奴に自分がなりたいかか、でなきゃ自分がどんな人間に囲まれたいかで選ぶんか

それも無理やな…』


人間、皆違ってそれでいて皆良いとウチは思っとるから人で寮選ぶのも癪然とせぇへんな


もっと違った見方で選ぶ事に決めよか


『…ほんなら、どの寮がどの服の寮や？』


結局ウチは、最終的には寮の寮服で気に入った寮に行く事に決めていた

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