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静まり返った夜道は、夏だというのに冷たい心地がした。星なんて輝いてない。淡い月の光もなんだか滲みがかっている。人気もなく、歩く度になる下駄の音がカラカラと遊ぶようになるだけ。
私は無職の状態を1ヶ月ほど過ごしたが、自由とは良いものだなぁとしみじみ思った。好きな時間に寝て、好きな時間に起きて、好きなことをして生きる。自由ってこういうことなんだろう、と二十歳を過ぎて体験した。こんな話を昔の友達にしたら、呆れられるんだろう。
｢(人って変わるもんだなぁ)｣
誰かのために努力する、ということがなくなった今、女と名乗るには程遠い。粧しもしないし、生活は不規則。ここから先の人生真っ暗だなぁ、と他人事のように思ってるのだ。
川沿いの大きな道でも人一人いない。時計を持ってくるのを忘れたもんだから今の時刻もわからなかった。不気味だなぁ、と思う。これだけ暗いと、後ろに何か得体の知れない化け物がいそうという錯覚に陥って背中が凍った。振り向いても誰もいないのは確かなのに、振り返りたくない。
後ろばかりに気を取られていると、目の前に化け物が現れた。
人の姿をしているのに、片腕からのたうち回るようにうねる何か。先には刀が絡みついていて、桜色に輝いている。ようようと淡く光を放つそれが、なんとも恐ろしかった。
｢(怖い)｣
脳の奥からそれだけが私を埋めつくした。体温が下がり真冬のように感じる。手先は震え、足はおぼつかず今にも崩れそうだ。こちらを見るその化け物の目は見えにくいが、化け物の視界に私が入っていることは確実だった。
｢……悪いねぇ｣
微かに届いたその言葉は、私を恐怖で支配した。ヒュンっと風を切る音がしたその瞬間、目の前には化け物の目が合った。死んでいるようで、瞳孔は開き殺意に溢れている。冷や汗が垂れた。
目の前に現れたそれは気持ち悪い。うねうねと一本一本の管が自分の感情を持っているかのように、自由に動いている。
視界は一気に白くなった。
月明かりよりも眩しい綺麗な銀色と、ルビーをはめ込んだようにキラキラとした強い赤色。
｢よそ見すんじゃねぇよ。｣
目の前は血で染まった。
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湯木(プロフ) - ゆうひさん» 返信有難うございます( ；； )本当の事ですよ！この小説の設定が私の性癖に刺さりすぎて辛いです.......季節の変わり目で風邪の引きやすい季節になってきているのでゆうひさんのお身体に負担がかからないぐらいで更新頑張ってください！応援してます！ (2019年5月24日 23時) (
レス) id: 8f94a810be (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - 湯木さん» 飛んできてくれてありがとうございます~!!私が銀魂夢を書き始めた頃からお世話になってる愛しのお友達ちゃんです笑エモさを感じてくれてめちゃくちゃ嬉しいです~!!!!ﾜｰ!!本当のことならば幸せです… (2019年5月24日 0時) (レス) id: cee43a9737 (このIDを非表示/違反報告)
湯木(プロフ) - 堕天使さんの所から飛んできました！堕天使さんの作品を読む前に題名が目に付いて後で読もうと思っていたのですがまさか堕天使さんのお友達だったとは！！ほんとにエモくて死にそうです.......。類は友を呼ぶって本当なんですね！ (2019年5月24日 0時) (レス) id: 8f94a810be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうひ | 作成日時：2019年5月19日 23時
