才媛のヴァイオリニスト[Alan_S] (ページ34)

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復活ページ34

『亜嵐！』

亜｢...｣

亜嵐はベンチに座って、ボーッとしながら遠くを見つめていた。

声をかけても何も反応しないくらいだった。

龍｢何やっとんねん！｣

亜｢...ん.....あれっ？どうしてここに...｣

隼｢亜嵐くん悩んだりするとすぐここに来るもんね！｣

玲｢そうそう。今回も1人で抱え込んじゃって。｣

裕｢相談くらいしてくれてもええやんな？｣

メ｢うん、そもそも俺は直接聞いてすらないし。｣

涼｢はっ、そうだった(笑)｣

メ｢おいおい、今鼻で笑ったろ？｣

涼｢気のせいっすよ。｣

『ちょっとちょっと、ふたりの世界に入るのはまた今度にしてくれる？』

亜｢何か用事？｣

『亜嵐を連れ戻しに来たの。』

亜｢それなら嫌だって＿｣

『嘘。』

亜｢ん？｣

『本当はやりたいことなんてなくて、ヴァイオリン弾きたいんじゃないの？』

亜｢...｣

『やりたいならやればいいじゃん！
どうして途中で投げ出したりするの？』

亜｢.....んねぇよ。｣

『え？』

亜｢お前らには.....わかんねぇよ...！｣

今までの常に笑顔で優しかった亜嵐とは一変、急に下を向いて地面に叫ぶように大きな声を放った。

でも私はこんなことで負けるわけにはいかない。

『うん、わかんない。』

亜｢...｣

『だから教えてよ。全部教えて？
亜嵐が抱えているもの、全部みんなに分けてよ。』

亜｢...んだよそれ.....｣

『本当はやりたいんだよね？ヴァイオリン。』

亜｢.......あぁー、もう！
やっぱりお前らには適わねーわ。
そんなこと言うから、戻りたくなってきただろ！』

涼｢亜嵐くん...｣

亜｢俺...自信なくてさ。
他のみんなより全然上手くないし、急にヴァイオリンに変えたからまた0からスタートだし。｣

『そんなの関係ないじゃん。』

亜｢...そうだな、やっとわかったよ。ありがとな｣

亜嵐はいつもの温かい笑顔を取り戻して、ベンチから立ち上がった。

みんなと笑顔で歩き出した私は、まだ知らなかった。

亜嵐にあんな秘密があったなんて＿＿＿＿