ONE PIECE 恋愛ジャンキー【3】（短編 中編)

ハツコイ　初雪　コビー　リクエスト ページ31

雨が雪と混じりだして、みぞれ に変わった。

どうりで、冷えるはずです…

海軍のマークの入った、ブルーの傘を広げると

「コビー大佐！」

ぼくの背後から声がした。

「ななしさん…」

彼女は、ぼくの部下で…

ぼくの 想い人…

部下に恋なんて…って ヘルメッポにバカにされましたが…

ぼくにとっては、貴女が初恋なんです。

「どうしたんですか？」ﾆｯｺﾘと笑いかけると

「いえ…あの…」と、俯いてしまった。

「良かったら…ぼくの傘に一緒に入りませんか…？」

傘を持っていない、彼女に そう声を掛けた…

だって…好きな女の子が こんな冷たい みぞれ雨の中濡れて歩くなんて…嫌じゃないですか

「良いんですか…？」パアッと顔を明るくして、
その、白い肌を赤く染めて…

貴女の黒い瞳がキラキラ光りました…

ぼくは…不覚にも…胸がキュンとなりましたよ

改めて…貴女が好きだって自覚してしまって

同じ傘…近い距離で歩いたら…

ななしさん…キミにぼくの鼓動が聞こえてしまうのではないかと心配になりました…

ぼくの傘を持つ手が…寒さとは違う緊張感で震えそうです！

ぼくの隣に密着するように並んだ…貴女…

「コビー大佐…この雨…雪に変わるでしょうか？」

空を見上げながら、どこか期待するような目をしながら貴女は言った。

「もしかしたら…夜中には雪になるかもしれませんね…とても冷えますから」

「コビー大佐は雪は好きですか？」

「ええ、好きですよ…大好きです！白くて…どこか儚げなところが…強く見えるけど…守りたくなるような…」

貴女の目をしっかり見つめながら言った、その言葉…

本当は、ななしさん貴女への告白です…

気がついてもらえなくても、構いません…
「コビー大佐はユニークですね！」

彼女は、楽しそうに笑った。

守りたいのは…雪じゃなくて…貴女なんです。

喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。

口唇噛み締めて…空を見上げていたら…

傘を持つ、ぼくの手に暖かい物が触れる。

ぼくの手の上に、重ねるように貴女の手…

「ななしさん…！」

恥ずかしそうに、貴女は笑うと

「コビー大佐の手…こうしたら 少し暖かいですか？」

ぼくの心臓…壊れそうなくらいに早く動き出した。

「なら…もっと ぼくを暖めてくれませんか？」

不思議そうな顔をする貴女を抱きしめた…

「貴女が好きです！」

彼女の手が僕の背中に回った

「私もです…」

初めてのキスは初雪の中…

2015 10,16

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