ば れ ん た い ん . ページ1
* * *
キッチンで作業中の私に、後ろから抱き着きながら話しかけてくるお兄ちゃんと、前でこれでもかってくらいに話しかけてくる志麻くん。なんで私こんなうるさい中作業せなアカンねん。
黙ってるならまだしも、ずっと
「なぁ、俺には無いん？」
「僕にも無いんですか？」
なんて言ってくる。
半ギレで「あるわけないやろ」と冷たく言えば、泣き真似をするお兄ちゃん。
嘘やろ。私こんなヤツの妹なんか？……ありえへん、嫌やわ。志麻くんも冷たい目で見てるけど、プライドってもんがないのか私の兄は。
そんなこを考えている内に、作っていた生チョコが出来上がった。
あとは切り分けてココアパウダーを振りかければ完璧。
「…てか俺らじゃないなら誰にあげるん？それ」
「うらたんと坂田」
「僕らにはくれんのに…！」
なんでやねぇぇぇん、と騒いでる志麻くんが気持ち悪い。お兄ちゃんは手遅れ。
てか、なんでみんなして今日テンションおかしいん。バレンタインってそんな大切なのか？
…ほんま、私が二人の分をらないハズないやろ。
バレンタインって好きな人にあげるのが普通やろ、そんな愛薄く見えるんか私。
何気に二人のこと大好きやし。……恥ずかしいからやめる。
少し二人が静かになって、ショボくれてる間にささっとメッセージカードを取り出す。
…まぁこんなんでえぇやろ。
「お兄ちゃーん、私届け行って来るから冷蔵庫のヤツ食べてええよ」
「お〜気ぃつけてな」
「いってらぁ」
志麻くんめっちゃふてくされてるやん…まぁ良いけど。
冷蔵庫のヤツ、見たらどんな反応するかな〜
「ふふ、早く届けてかーえろっ」
「…あ、ねぇ、志麻くん、コレ」
「あ？…あ！」
冷蔵庫を開ければ、黄色と紫でラッピングされた箱とカードが入っていた。
お互いに中身を見れば、
『志麻くんへ
私が作らないワケあるか！もう、ちゃんと愛込めたから食べてなっ』
『お兄ちゃんへ
甘さ控えめやから、お兄ちゃんも食べれるで。いつもお疲れ様！』
と、書かれてあった。
「タチ悪ぅ…」
ほんま俺の彼女可愛すぎてしんどいわ。
ちゃんと愛、感じますよ。
…
「センラさんなんで泣いとるん？きしょい」
「Aがぁ、Aがぁ…」
センラさんはシスコンにも程がある。
* * *
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 757人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kAna(プロフ) - ＋坂月さん» おばあちゃんになってでも待ってますね！！← (2019年2月14日 21時) (
レス) id: a7122331de (このIDを非表示/違反報告)
＋坂月(プロフ) - kAnaさん» kAnaさん〜！ありがとうございます！地道な更新となりますが、気長に待ってて頂けると嬉しいです！ (2019年2月14日 20時) (レス) id: 853a0afff7 (このIDを非表示/違反報告)
kAna(プロフ) - 尊し！！！！！！最高です！！！！(´；ω；`)素敵な作品を作ってくださりありがとうございます！！ (2019年2月14日 19時) (レス) id: a7122331de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
