【歌い手】 僕だけのシンデレラ。 【あほの坂田】

思わぬ転機 ページ10

嘘でしょ…？！


憧れの、さかたんから…


「僕と一緒に歌ってくれませんか？」



いつも、かけ離れすぎた夢と現実に鬱々としてたのに、まさかそれが本当になるなんて…！


――さかたんに見つけて欲しい。


そんな甘い夢を見て、わたしは歌い始めた。

叶うはずもないと、分かっていながら。


本当、言葉が出ない。


「………」


「あの、A、さん…？」


今度はこっちが覗き込まれた。


「あっ、いえ…わ、わたしなんかでよければ、ぜひ！！」


あっ、言えた…！どもっちゃったけど。


それはやっぱり、こんなチャンス、後にも先にも今しかないと分かっていたから。


「ほんとですか！？よかったあ…」


ふーっ、と安堵の声を漏らすさかたん。


「で、でも、わたしってただのストリートシンガーだし…一緒にって、どうすれば」


それはそう。


やっぱり、人気歌い手の彼とわたしじゃ、住む世界が違いすぎる。


でも、せっかくのチャンスなのに――。


「決まってるじゃないですか」


「え？」


「Aさんも、歌い手になりましょう！」


え。



――――――――――


50hit越え、ありがとうございます…！

これからも頑張りますので、見ていただければ幸いです。

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