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Case13 ページ14

「まず、オメーが透明人間なわけねぇだろ。

こうやって手も掴めてるし、
しけた面だってよく見える」

『………うるさいなぁ…』

「大体、あいつら、石投げつけて当ててる時点で透明人間だってのたまうのは矛盾してんだろ…」


私の前髪をかきあげ、

石が当たったであろう場所を、優しく撫でた。


『………ねぇ、新一』

「んだよ」







『私って、なんなんだろうね』




どこで、誰から産まれて、

何を望まれて、

ここにいるのか。




『それがわからない私は、みんなみたいに、

"1"にはなれない』




怖い。

それが、幼い頃に抱いた純粋な気持ちだった。





自傷の笑みが思わずこぼれれば、

新一は眉間にしわを寄せた。





「………母さんが、……父さんが……………、

俺が、





お前は確かにここに存在して、
唯一無二の、六条Aだって言ってもか?」



あまりにも真っ直ぐで、

夕陽に照らされた彼は、とても眩しく見えた。




「オメーは"ゼロ"じゃねぇ。
けど、"1"でもねぇって言うなら、



"ゼロ"と"1"の狭間。

それが今の六条Aだ」




無愛想で、

さみしがりやで、

甘えることが下手くそな、




「俺の………………家族だ」




自信ありげに笑う小さな探偵は、

泣きじゃくる私を見ては、また笑う。




「"ゼロ"じゃない限り、オメーはここにいる。
"ゼロ"になんかさせねぇ。

そんでいつか、




お前が心の底から"1"だと思える日が来るまで、

俺がとなりにいてやるから」



そうすりゃ、

"ゼロ"になんて、ならねぇだろ?









『そんなアイツは、どこに行ったんだろうね』

「ん?どうしたの?Aお姉さん」



ポアロのカウンターで、ホットコーヒーを飲むコナンくんを見て、

思わず笑ってしまった。



『どっかの素敵な推理オタクのこと』



ほら、早く帰ってきてよ。



『私はまだ、"ゼロ"と"1"の狭間なんだから』

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ソーダ愛す - ヤバい、面白すぎる...!個人的におジャ魔女とひょっこりはんがツボでしたww (12月13日 21時) (レス) @page49 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
テトノ - 初めまして、とてもおもしろいです!!!はい、ひょっこりはんの所がとくにおもしろかったです (2022年4月10日 12時) (レス) @page44 id: 766cae026c (このIDを非表示/違反報告)
いつも楽しみに読んでます!更新頑張ってください! - ライ (2018年10月14日 9時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、面白いですヽ(*≧ω≦)ノパルクール出来る女子高生とかカッコいい!安室さん推しな感じも最高です♪ 正にドキドキハラハラな展開も良いです(*´艸`*)ひょっこりはんも笑いました(笑) (2018年6月13日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あおいさん» ありがとうございます!続編の方、読みました。教えていただき、本当にありがとうございました。 (2018年5月13日 8時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2018年4月7日 22時

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