＊ ページ3
.
「トランペットを吹いてるお前も好きだし、しもが大好きな人達に囲まれてダンスして、演技してる姿も、超好きなんだよね」
『っ……なん、ですか……それ……』
どっちも取れるような答えに、兄さんを見上げれば、わがままだって言ったろって。
「早くテレビに出てデビューして、この先を一緒に駆け抜けていく仲間と居る、しもを見たいんだよ、俺。
16から見てるわけだし、親みたいになってきちゃってさ。巣立ちを見たいんだよ」
『でも…いつになるか分からないんですよ？デビューするかも分からないし……声がかかるかも分からないし……』
「……しもは、デビューするよ。」
『また、冗談言って……』
「ほんとだよ。今じゃないかもしれない。でも、しもがずっと一緒にいた人たちから、声かかるよ。俺が保証する。」
『……』
兄さんが何を考えているのかは分からない。でも、不確かな言葉を並べて、退所を引き留めようとしているのかなって、その時は思ってた。
「…しもは、もう諦めてるの？」
『…だって、デビューするかって声もかからないし……今年で、22になるし…このまま居続けても何も無いなら、いっその事退所してやりたいことをやろうって』
「そっか」
『確かに、デビューはしたかったです。Jrでも、有難いことにファンの人達も居てくれて、人気もあるみたいだし。』
「……でも、まだ迷ってる？」
『そういうことです。……でも、兄さんに話を聞いてもらって、決心が着いた気がします。』
「しも……」
『クリス兄さん、私がどんな決断をしても見守っていてくださいね』
自分で言いながら、段々と覚悟が付いてきた気がして、逆に兄さんの方が戸惑いを見せながらも、ゆっくりと考えながら、
「まぁ……やる事はやったんだから、後は自分がやりたかった事をやりなさい」
そう言ってくれて、私の決意を引き留めようとしない感じで有難かったけど、逆にその言葉が心にのしかかってきた。
たった一言の助言なのに、色んな思いが詰まっているように思えて、感じちゃいけない何かだと思って話をそらす。
『…問題は、このラジオなんです』
「あ、あぁ……これ……」
『退所するなら、ここも終わらせた方がいいかなって。』
「……勿体ないな」
『そうですか？』
「うん、勿体ない……まぁ、考えておくよ。このラジオの件は、俺に任せて。」
そう言ってくれたから、いい感じで終わらせてくれるんだろうなって、思ってた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Waka(プロフ) - すごく楽しく読ませてもらっています！更新再開していただきとても嬉しいです。これからも続きを楽しみにしています！ (2021年11月21日 9時) (
レス) id: b0a7e346d3 (このIDを非表示/違反報告)
ロシアンブルー - 此の作品のファンです 坂本クンとヒロインの学校へ行こう！での公開プロポーズ篇も書いて頂けると有り難いです (2021年10月23日 17時) (レス) id: 1c30c8ea1d (このIDを非表示/違反報告)
V-GIRL(プロフ) - mnhygkjv6さん» 読んでくださってありがとうございます🥺更新頑張ります…！！ (2021年10月20日 22時) (レス) id: ca5bf8a95f (このIDを非表示/違反報告)
mnhygkjv6(プロフ) - リーダーの嫁は紅一点5･6読みました🎵私もV6の解散にはびっくりしてます。お話しの続き楽しみにしてます💕柚紀です✌ (2021年10月20日 21時) (レス) @page3 id: 623bd42d76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：V-GIRL | 作成日時：2021年10月20日 14時
