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『どっ、どうしてそれを……』
「ほら、前回収録した時さ相談してくれたじゃん？その時に、あー、これは迷ってるなって思ったんだよ」
『……やっぱり、感じたんですね、さすが兄さん』
「何年見てきたと思ってんの。涼介くんと並ぶよ？」
『さすがです、クリス兄さん好き』
「あはは、そりゃどうも」
『…話、聞いてくれます？』
「当たり前。どんな事でも聞くよ」
カップを置いて、私と向き直ってくれた兄さんは、優しい眼差しで促してくれたから、持っていたカバンから資料を出すと、彼の前に置いた。
『…私、アメリカでフルハウスの撮影をしていたじゃないですか』
「うんうん……マンツーマン英会話したね。そのおかげで、すっげぇ発音良くなった」
『ありがとうございます、その節は……。
それで、そのドラマのプロデューサーの友人の方が、イギリスの名門交響楽団で、トランペット奏者を探してるって、話を教えてくださって……』
「しも、トランペット大好きだもんね。知識とかめっちゃあるし」
『元々、オケで吹きたかったので……プロデューサーの方も、それを知っていたし、実力もあるって伝えてくれていて……』
送られてきた資料を見ながら、私の話に耳を傾けてくれる兄さんは、険しい顔で英文で書かれたそれを読んでくれる。
『私も、今年の9月で卒業して社会人になる訳で……事務所に入ってから、9年も経ってるのにデビューも出来てないし、目立った事もしていない。
その中で、このまま居続けるより……自分が本当にやりたい事がすぐ目の前にあるんだから、掴み取った方がいいんじゃないかって、思ってて』
「……うーん……」
『その資料を見る限り、イギリス王室でも気に入られている楽団らしいし、私にとっての新しい道になるんじゃないか、そう思ってるんです。
でも────』
「でも、事務所に残っている人達が心残り」
『っ……』
どうしてそれを、と言うように目を見開けば、兄さんは私の横に移動してくると優しく頭を撫でてくれた。
「言ったろ？何年見てきたと思ってんのって」
『…兄さん……』
「俺はね、しもがトランペットを吹いてる姿が好きだよ。心から好きだって思えてる物をしているお前の姿は、凄くかっこいい」
『ほんと、ですか……？』
「うん。
けどさ、俺もわがままだから。」
『え…』
困ったように眉を寄せて微笑む、机に腰かける兄さんは、頭に手を置いたまま呟いた。
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Waka(プロフ) - すごく楽しく読ませてもらっています！更新再開していただきとても嬉しいです。これからも続きを楽しみにしています！ (2021年11月21日 9時) (
レス) id: b0a7e346d3 (このIDを非表示/違反報告)
ロシアンブルー - 此の作品のファンです 坂本クンとヒロインの学校へ行こう！での公開プロポーズ篇も書いて頂けると有り難いです (2021年10月23日 17時) (レス) id: 1c30c8ea1d (このIDを非表示/違反報告)
V-GIRL(プロフ) - mnhygkjv6さん» 読んでくださってありがとうございます🥺更新頑張ります…！！ (2021年10月20日 22時) (レス) id: ca5bf8a95f (このIDを非表示/違反報告)
mnhygkjv6(プロフ) - リーダーの嫁は紅一点5･6読みました🎵私もV6の解散にはびっくりしてます。お話しの続き楽しみにしてます💕柚紀です✌ (2021年10月20日 21時) (レス) @page3 id: 623bd42d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：V-GIRL | 作成日時：2021年10月20日 14時
