第27話【 お願い 】 ページ27
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ロイスとフレアの視線から逃れ続ける事、数分。
一向に諦める素振りを見せない2人にAは内心焦っていた。
今日は居ないのだと帰ってくれたのならどんなに嬉しいだろう。
「 ねぇ、A君。」
『 今、取り込んでます。』
「 そんな事言わないでさ、ねね、あの2人に顔だけでも見せてくれないかな? 」
『 学園長の頼みでも絶対に…嫌、です? 』
余りにも自然な流れで話し掛けてくる相手に、疑問も抱かず言葉を返していたが。
この声は聞き覚えがある。
『 全ての元凶は貴様だァ!! 』
「 あはは、A君。締まってる、締まってる。」
視線を横へと移動させれば、にこにこと何時もの笑みを浮かべたイリスの姿。
報告書、と言う言葉が脳裏に浮かびつい、学園長に掴みかかってしまった。
ついでに言うと、大声を出してしまった上に立ち上がってしまった為、大衆の視線が全てこちらへと向けられたのだ。
当然、ロイスとフレアも例外ではない。
『 あ。』
「 黒い髪に黒い瞳…彼で間違いなさそうだな。」
「 ふふ、お目にかかれて嬉しいわぁ。」
逃げ道を絶たれたAは、イリスを締め上げている腕に知らず力を込める。
「 A君?そろそろ離してもらわないと流石の私でも死んじゃうよ? 」
『 もういっそ息の根を止めてやろうか。』
言葉とは裏腹に余裕そうな笑みを絶やさないイリス。
これ以上やっても時間の無駄だと踏んだAは手を離し、ロイスとフレアが待つ場所へと向かう。
「 貴様が…
『 …雪野Aです。』
「 Aちゃんね、私はフレア=リクレイよ。よろしくね? 」
語尾にハートが飛びそうな勢いで自己紹介をするフレア。
フレアの身体から
2人の背後では、白い
「 突然で悪いが、お前…Aが契約を交わした
『 …良い、ですけど。』
何故、という疑問が浮かんだが
程なくして、太陽の光をも飲み込む様な漆黒の巨体を持った
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花冠(プロフ) - 2017年…四年前の作品で良い物を見つけてしまった…!もっと先に見つけれたら更新されて行く楽しみが味わえたかも…。すごい読みやすいですし、設定が神です!チビちゃんかわいい… (2021年3月18日 13時) (レス) id: 9f55fa5e42 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 雛菊さん» 有難うございます、とても嬉しいです…!これかも期待に応えられるように精進させて頂きますね!これからもご愛読、よろしくお願い致します! (2017年12月1日 18時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 通知リストにあるかな〜と探すぐらい好きな小説です!とても読みやすくて大好きです!! (2017年11月30日 18時) (レス) id: b475004931 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 風音迷夜さん» 沢山のお褒めの言葉…ありがとうございます!好きになって頂けてとても嬉しいです…チビは本当に人気がありますねw (2017年11月25日 16時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
風音迷夜 - ありきたりじゃない世界観に分かりやすい説明、この作品好きになりました!チビちゃんかわいいなもう!僕惚れちゃった←チビドラゴンにww (2017年11月22日 21時) (レス) id: b791237619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年9月26日 0時