【 男主 】龍に好かれる体質のようで【 BL 】

第２８話【 好かれる体質 】 ページ28

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ゼノンは２頭の龍(ドラゴン)を一瞥(いちべつ)し直ぐにAへとその頭を寄せた。

ゼノンは甘えん坊だな。と心の中で零しながら擦り寄るゼノンを撫でる。
肩の上ではチビが自分も、と言う様に鳴き声をあげた。



『 これで良いですか？ 』

「 あぁ、充分だ。」

「 Aちゃん、その龍(ドラゴン)から真名(まな)を貰ったのね…？ 」

『 真名(まな)？ 』

「 その龍(ドラゴン)の首にチョーカーの様なモノが付けられているだろう。それは別名、首輪と呼ばれる。」



首輪とは、楔(くさび)。
龍(ドラゴン)が真の主人だと認めた者が現れた時、龍(ドラゴン)は自身の真名(まな)を差し出すのだと言う。
真名(まな)を差し出した龍(ドラゴン)にはその証として首輪が付けられる。

首輪…それは、主人を裏切らない為の楔(くさび)。
自身を縛り付ける為のモノだ。



「 貴様は、その龍(ドラゴン)からそれだけ信頼を寄せられていると言う事だ。」

「 契約を交わす者はいるけれど、完璧に龍(ドラゴン)を従えさせる事が出来る人は少ないの。Aちゃん、それは才能よ。」

『 才能…。』



学園長が最初に言っていた才能とはこの事だろうか。
思案する様に視線を下げていると、ゼノンとは別の低い唸り声が間近で響いた。

何事かと視線を上げれば、ロイスとフレアの龍(ドラゴン)が首を伸ばしAを見詰めていた。



『 …どうした？ 』



状況が飲み込めないAは、視線を泳がせ龍(ドラゴン)に問い掛ける。
言葉が通じてるのかは定(さだ)かではない。

小さく喉を鳴らした２頭は、Aの頬へ鼻先を押し付けた後、掌(てのひら)の下へと頭を潜り込ませる。

これは……。



『 撫でて欲しい、のか？ 』



ゼノンも似た様な仕草を見せる為、取り敢えずそっと彼等へと触れる。
気持ち良さそうに目を細める２頭。



「 驚いたな。エリアスは俺以外に懐かないんだが。」

「 本当ねぇ…私のエルドもAちゃんを気に入ってるみたい。」



いや、感心してる所悪いんだけどさ。
この状況をどうにかしてくれ。

流石に図体のデカい龍(ドラゴン)３頭に四方を囲まれるのは怖いだろ。


助けを求め様とクラインを探したのだが、目が合った瞬間に無理、と笑顔で拒絶された。

おい、お前も龍(ドラゴン)に乗るんだよな？
無理じゃねぇだろ。




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