第26話【 もう一人 】 ページ26
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ゆったりとした動作からは気品が漂い、彼の動きに合わせて上下する銀色の髪はさらさらと風に煽られた。
色素の薄いグレーの瞳が、何かを探す様に
「 …知っている者もいると思うが、俺は秩序の騎士団団長…ロイス=ハーヴァンだ。」
一言話し、名前を名乗っただけなのだが…背筋を伸ばしたくなる様な威圧感。
やはり誰かを探している様な素振りを見せるロイス。すっと細められる瞳に誰もが息を飲む。
「 ちょっと、ロイス!アンタ、眼鏡忘れてる! 」
「 む? 」
上空から降って来た声。
視線を上げればもう一頭の
吹き荒れる風に揺れる髪は長く、話し方も女性の様な印象を受ける。
しかしだ。聞けば分かると思うのだが、女性と言う割には少し…声が低い気がした。
『 クライン、あれは…? 』
「 あの人は騎士団副団長のフレア=リクレイさんだよ。性別は男…って本人に言うと半殺しにされるから気を付けろよ…。」
『 流石の俺も、
どうやら出掛ける度に眼鏡を忘れて行くらしく、ロイスの天然疑惑が浮上。
眼鏡を掛け直したロイスが、もう一度視線を投げ掛けてくる。
「 この中に、
「 あ、それは私も興味あるわ! 」
2人の視線に耐えきれなかったクラスメイトが此方を振り返る。
それを
間一髪、クラスメイトの視線はクラインへと向けられたモノだと見せ掛ける事に成功。
「 お前か? 」
「 いや…その…、」
無言の攻防戦が幕を開けた。
「 んー…でも、報告書で上がってきたのは黒い髪に黒い瞳を持った青年…だった様な? 」
「 確かに…。」
何だよ報告書って。
誰だよ余計な事まで報告したのは。
学園長しかいねぇだろ。
後で覚えてろよ…と心の中で学園長を恨みつつ、どうしようかと頭を抱える。
ここで彼等に会ってしまったら確実に面倒事に巻き込まれる事は想像に
クラインの背中に隠れ、打開策を考えるも良い案は浮かばなかった。
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花冠(プロフ) - 2017年…四年前の作品で良い物を見つけてしまった…!もっと先に見つけれたら更新されて行く楽しみが味わえたかも…。すごい読みやすいですし、設定が神です!チビちゃんかわいい… (2021年3月18日 13時) (レス) id: 9f55fa5e42 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 雛菊さん» 有難うございます、とても嬉しいです…!これかも期待に応えられるように精進させて頂きますね!これからもご愛読、よろしくお願い致します! (2017年12月1日 18時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 通知リストにあるかな〜と探すぐらい好きな小説です!とても読みやすくて大好きです!! (2017年11月30日 18時) (レス) id: b475004931 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 風音迷夜さん» 沢山のお褒めの言葉…ありがとうございます!好きになって頂けてとても嬉しいです…チビは本当に人気がありますねw (2017年11月25日 16時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
風音迷夜 - ありきたりじゃない世界観に分かりやすい説明、この作品好きになりました!チビちゃんかわいいなもう!僕惚れちゃった←チビドラゴンにww (2017年11月22日 21時) (レス) id: b791237619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年9月26日 0時