その笑顔、100円【梵天】

その笑顔……３３ ページ34

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『美味しい、幸せ……♡』

「まあまあ。Aが作ったヤツの方が美味いな」

『ココさん大好き……』



甘い香りがふわりと鼻腔を擽り、それだけで気分が上がる。
淡いピンクを基調にパステルカラーが多く取り入れられた店内は、可愛らしく着飾った女子学生やお姉様方で溢れかえっていた。

ココちゃんと二人で囲むテーブルには、カワイイが詰まったスイーツが所狭しと並べられていて。

一口サイズの小さなカップにきゅっと詰められた苺タルトにレアチーズケーキ。透明なガラスカップにはキラキラと輝くゼリー。
カラフルなアイシングクッキーに、デコレーションが目を引くドーナツ。箸休めのためのカットフルーツに、カフェモカとブラックコーヒー。

私も一女子として甘い物には目がないので、この空間は天国でしかありません。
ココちゃんから差し出されたプチケーキをぱくりと頂いて出たのが冒頭のセリフ。

流石ココちゃん、そのセリフ返しは100点満点！
でも、私が食べ切れなかったプチケーキの半分を食べちゃったのは心臓に悪かったですね！！

次々とココちゃんのお口に吸い込まれていくスイーツ達を見送りながら今更ながらの疑問が浮かぶ。



『ココさんと2人でお出掛けできるのは嬉しいですけど……お仕事とか大丈夫でしたか？』

「俺の方は別のヤツに仕事割り振ってきたし、Aの方も代わりのヤツ入れたから大丈夫だろ」



目敏いココちゃんは私のフォークが止まると「あーん」を強要してきます。反射的に口を開けてしまう私も悪いのだけれど、周りからのチラチラとした視線が痛いので止めて頂ければ……あ、ダメですか。

ココちゃんは気にした素振りもなく間接キッスをカマしてくるので、私の方がドキドキしてますが？？
もしやココちゃん、自分がとんでもない美人さんだと自覚していらっしゃらない？？

それにしても。ココちゃんとスイパラに来るのって無敵では？すごく贅沢なんですが、余ったら貰うから色んな種類食えって……。



『あ、このチョコレートケーキ美味しい！』

「もっと食べるか？」

『食べたいです！』

「ん、待ってろ」



ビックリするくらいに気が利くココちゃん……。
その気遣いを男性に向けたら敵無しだよ、同性の私が言ってるんだから間違いない。



「美味い？」

『とっても！』

「ふーん、一口食わせて」



もちろん、あーん、でな？と先手を打たれた私。
やっぱりココちゃんは魔性の女でファイナルアンサーですよ、皆さん……。



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