#05 -フジ- -キヨ- ページ5
前回の続きです。
フ「A、こっち見て?」
私の言葉なんか無視して、フジくんはそう言う。
フジくんがあまりにも切ない声で言うから、気になって振り向く。
私はフジくんに唇を奪われた。
びっくりするほど上手で、“どこでこんなの習得したんだよ!”と心の中で叫ぶ。
フ「かわいい」
私から唇を離した後、フジくんは私の目を見つめて言う。
フジくんが私にかわいいって言ってくれるの久しぶりすぎる…。
やば…嬉しい。
フ「いい?」
私がフジくんにかわいいと言われて浮かれていたとき、そんなバカな質問が飛んでくる。
『いいわけないじゃん、バカ』
フ「えぇー…。何で?キヨのセ○レだから?」
何を勘違いしてんだコイツ。
小学校からずっと一緒なだけの大事な幼馴染みなだけだよ。
ちょっと距離が近いかもしれないけど。
『キヨくんと私の距離が近いからって、そんなわけないでしょ』
フ「ん?キヨが『Aと俺はセ○レだ』って言ってたんだけど…」
はぁぁぁぁぁあ!?
え、何?バカなの?キヨくんはバカなの?
『デマ情報だよ』
フ「ふぇ?」
さっきのあの雰囲気はどこへやら…。
私は怒り、フジくんは戸惑いの感情が顔にわかりやすく出ていた。
『ちょ、ごめんフジくん。キヨ殴りに行って来るわ』
フ「え、A!?実況は!?」
フジくんの最後の言葉は聞かずに、フジくんの家を出る。
フジくんは全裸だから追いかけて来れないし。
…キヨくん家行こ。
その後のキヨくん家では…
『キヨくん!!フジくんに何であんなこと言ったの!』
キ「…ごめんなさい」
私が殺気立っていていつ殴られるかわからない状況だって気がついたキヨくんは、いとも簡単に土下座した。
ちょろい…。
キ「俺の独占欲が働きました。ごめんなさい」
今日のキヨくんはびっくりするくらい素直だった。
『反省した?』
キ「めっちゃしてる」
キヨくんが珍しくシュンとしてるから、もうかわいくて…許してしまった。
でも、私はバカだ。
キヨくんの辞書に“反省”の2文字なんてあるはずがないのに。
キ「じゃあA、ちゅーして?」
調子に乗りまくりのキヨくんに、私渾身のグーパンが飛んだのは言うまでもない。
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作者名:紫燕-sien- | 作成日時:2019年11月28日 12時