試す ページ21
無事勉強会が終わって月曜日。
話が早いとか思うなよ。
至って普通だ。
それより最近、気になる人がいる。
楠木A。そう、Aさんだ。
鳥束の話をきっかけにAさんと
接する事が多くなってきた。
問題なのは接点が多すぎる事だ。
接点が多い=僕も目立つ
テレパシーが使えないから何考えてるか
分からないが、かといって狙って
近付いている訳じゃないだろう。
僕の能力が効かないのも妙に引っ掛かる。
という訳で、僕の超能力を片っ端から
Aさんに試してみようと思う。
透視__つい、いつものクセで瞬きや視線を
動かしていたが、じっと見つめてみた。
貴「どうしたの? く…斉木くん」
『いや、何でもない』
3秒以上経っても変わらなかったから
これも効かない。
逆に見つめ返されて堪らず逸らした。
瞬間移動__僕自身だけでなくとも
触れていれば他人も移動可能で、
Aさんの肩に手を置いてみた。
はい、移動出来ない。
怪しまれないよう、そのままゴミを払うフリ。
貴「あ、ゴミ付いてた? ありがとう」
石化__石になったら困る、リスクの高いもの
であるが試してみないと分からない。
曲がり角で少しAさんとぶつかり
眼鏡を吹っ飛ばしてみる。
貴「す、すみませ…って斉木くん!?
ぶつかってごめんね、あれ、眼鏡……
あ、あんな所に。はい、どうぞ。
く…斉木くんって眼鏡してるから
よく分からなかったけど
綺麗な赤い目をしているんだね」
ばっちし目が合ったが石化しない。目が
綺麗だと言われたのはAさんが初めてだ。
……と、まあ僕の超能力が多すぎる為
一部抜粋したが、やはり僕の全ての能力に
Aさんは効かなかった。
正確に言うとAさんに関わる
ものに対して効果がなかった。
例えるなら透明化。僕自身が透明化する訳で
Aさんには関わっていないから
目の前にいても気付いていなかった。
分かってくれただろうか。
これで僕の能力全て効かない事が
判明した訳だが、全くどうなっているんだ。
色々考えていても、授業は進んでいく。
この授業が終われば放課後だ。
気分転換に授業を聞くとしよう。
____
__
貴「先行ってて良いよ」
Aさんはそう言い、ノートを運ぶ。
階段でズルッと足を滑らせ、視界から消えた。
Aさん!?
慌てて階段下を覗けば、踊り場で
倒れているAさん。
頭部から流れる鮮やかな血液__
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柏餅(プロフ) - 一気読みさせていただきました!最高すぎます!!! (2月17日 1時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
風神真優(プロフ) - はりーさん» ありがとうございます!途中までで短いですが楽しんで読んで下さい! (2019年4月4日 14時) (レス) id: 9b71a59be1 (このIDを非表示/違反報告)
はりー - すごく面白くて、感動してしまいました!!次編も楽しみに読みます!応援してます!! (2019年4月4日 13時) (レス) id: 6ad50ecc50 (このIDを非表示/違反報告)
風神真優(プロフ) - 夕さん» ありがとうございます。そろそろまた更新させて頂きますね〜。 (2019年2月11日 17時) (レス) id: 9b71a59be1 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - ファイトです! (2019年2月11日 17時) (レス) id: 4cb630b68b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風神真優 | 作者ホームページ:http://id11.fm-p.jp/564/kazakamimayu/
作成日時:2018年2月25日 23時