鼓動のメトロノーム ページ8
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_____「もう少し可愛げがある表情はできないの!?」
「気品はあるのだがね....どうも跡取りには...」
「物覚えが良い、って言葉じゃ当てはまらない記憶力ね。気味が悪いわ」
「「「本当に奥様の娘???」」」_______
はっとして目が覚める。
体を起こすと見慣れない風景で辺りを見回した。
(そうだ.....行き場のない私を帝統くんに拾ってもらって...
ここは乱数さんの事務所だった.........)
大きく息をつく。
背中を汗がじっとりと伝う。
やはり毎日のように見ていた悪夢からはなかなか解放されないようだった。
壁にかかっている時計はまだ午前3時を指している。
(まだ時間が早いから寝たいけど......
嫌な夢見ちゃったなぁ)
完全に目が冴えてしまった私の腕を、なにかの力が引っ張った。
『....っ!!びっくりしたぁ』
力に耐えきれず、昨夜いつのまにか寝ていたソファーに倒れる。
腕を引っ張ったのは同じソファーで寝ていた帝統くんだった。
(えっ...!?近い.....っ!)
がっちり腕でホールドされていて、私の力では振り解けそうにない。
帝統くんの顔は目の前だ。
帝統くんの息遣い、鼓動、熱が全て伝わってきて、どんどん頬が紅潮していくのが自分でもわかる。
こんな距離で寝てたんだ........
帝「ゔぅん、......」
『!』
また引き寄せられ、今度は帝統くんの胸の中。
(ひゃ〜....‼
ど、どうしよう。男の人がここまで近いなんて初めてだから...)
1人で照れて慌てる私を他所に、とくんとくんと帝統くんの鼓動が耳に直接流れてきた。
なんだかそれを聞いていると、安心して瞼が落ちてきてしまった。
(あ.....このままなら眠れそう.....)
私はいつもぬいぐるみを抱くように帝統くんの腕に擦り寄った。
『.......帝統くん、おやすみなさい』
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帝「..................は?」
乱「帝統!!!!
ぜったいそのままだよ、動かないでね!!!!」
幻「おやおやこれはまぁ.......可愛らしいですねぇ」
俺が目を覚ますと腕、というか体全体に違和感。
その違和感の正体はすやすやと気持ちよさそうに寝ているAだった。
がっしりと抱きしめられて動こうにも動けない。
当の本人は微笑みを浮かべている。
乱「スマホ持ってきたぁー!
Aかわいい〜、帝統羨ましすぎ!」
帝「いや、本当に恥ずかしいから勘弁してくれ..」
幻「ホホホ、まるで美女と野獣ですね」
帝「ぶっとばすぞ」
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レンコンさらだ - 千早さん» わー!!!ありがとうございます!嬉しいです〜!最近忙しくて更新がもっと遅くなっちゃってて申し訳ないです。精進して参りますのでよろしくお願いします! (2020年7月31日 0時) (レス) id: 4187762a0b (このIDを非表示/違反報告)
千早 - めちゃくちゃ面白いです!これからも頑張って下さい! (2020年7月28日 22時) (レス) id: 1137d622a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レンコンさらだ | 作成日時:2020年6月8日 2時