充分な時間だった ページ14
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帝「じゃあ、こいつ連れてくぜ!!!
Aー、行くぞー」
帝統くんは踵を返して歩き出した。
私は独歩さんにもう一度礼をして、帝統くんの後を小走りで追った。
...
俺は彼女が人混みで見えなくなるまで手を振っていた。
そしてゆっくりと手を下ろす。
独「はぁ......よりによってシブヤのクソジャリか.....」
Aちゃんが例の連れの話をするときは、
______本当に、優しい人なんです。ぶっきらぼうだったり、どこかいい加減なときもあったけれどとても優しくて......まだ会って間もないのにここまで信頼が置けると思っていませんでした________
きまって顔がキラキラしていて眩しかった。
嬉しそうに話をしていたから少し勘付いてはいたけれど、彼を見るAちゃんの表情を見て確信した。
____独歩さん、本当にありがとうございました!
またどこかで会えるといいですね!______
思わず呆れた笑みが漏れる。
独「.........俺ってこんなに単純だったか?」
たった30分。それだけだ。
だけど、彼女の表情、仕草が離れなくて酷く苦しい。
俺はしばらくその場から離れることができなかった。
....
乱数さんと幻太郎さんとも再会できてから、ひどく2人に叱られた。
「注意力が足りない」だの、「周りを見なさい!」だのその通りすぎて、私はただただ肩を窄めるだけだった。
私が反省しているのを見た3人は「目を離した自分たちも悪い」と謝ってきたため、私はそれをすぐに止めた。
3人の優しさに甘えていた私が悪い。これはわかりきっていることだった。
とにかく、乱数さんの仕事を終わらせなくてはならない。
事務のような仕事は帝統くんが私を探してくれている間に終わったらしく、あとは私のモデルとしてのお手伝いだけだった。
少し緊張する。
『こ、こんなに着るんですね......』
乱「気に入ったものは何個か持って帰っていいって言われたからさ!どうせだったら一通り着ちゃお!」
私は反論する気力も虚しく、乱数さんに早々に試着室に押し込まれた。
...とりあえず目についたものからどんどん着ていこう。
*おまけ*
独歩に名刺を渡されたときの小噺
『独歩さん、私より9歳上なんですね。
もっと歳近いと思いました!お肌とか綺麗なんですね』
独「はは......そんなことないよ.....」
独(え....?9歳しか違わないのか?
......ってことは二十歳!?
....あぶない、何年生か聞かなくてよかった...)
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レンコンさらだ - 千早さん» わー!!!ありがとうございます!嬉しいです〜!最近忙しくて更新がもっと遅くなっちゃってて申し訳ないです。精進して参りますのでよろしくお願いします! (2020年7月31日 0時) (レス) id: 4187762a0b (このIDを非表示/違反報告)
千早 - めちゃくちゃ面白いです!これからも頑張って下さい! (2020年7月28日 22時) (レス) id: 1137d622a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レンコンさらだ | 作成日時:2020年6月8日 2時