気まぐれ少女の怪談物語 (ページ36)

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隠れんぼ 6 ページ36

貴『見に行ってやろw』

お邪魔しまーす、なんてルンルンで土足で家に入る。

長い廊下を歩きながら、上から聞こえる軋む音と4人の話し声に少し安心していた。
上は4人でいるし、何か起こる可能性があるのは私だ。
音がしたと思われる部屋は台所。
暗くて周りが見にくいため、スマホのライト機能で床など辺りを照らしてみればガラス製のコップが割れていた。
音の原因はこれね。

猫や犬などの動物が入り込んだようではなさそうだし、やっぱここにはいる。
引き返し玄関まで戻ろうと台所から出ると、長い廊下の先に「ナニカ」がいた。

？【ケケケケ…】

そのナニカは不気味な笑い声を出しながら、素早い動きで近づいてきた。

貴『…犯人はお前か』

？【ケケケケ…アソボアソボ】

ナニカは私の膝くらいの高さがあるボロボロとなった熊のぬいぐるみ。
手には包丁持っている。
ヤダ物騒～。

貴『遊びは隠れんぼか？他に参加した奴らはどこだ？』

熊【カクレンボ！カクレンボ！ホカノ、ヤツラハ、マケタカラ、トジコメタ！】

負け？負けたから閉じ込められて行方不明になってるんかい。

貴『隠れんぼしてやってもいいよ。でも、あんたにはメリットがあってもこっちにはデメリットしかない。私が勝てばみんなは返せよ？』

熊【ナラ、オマエガマケタラ、オマエノ、イノチモラウゾ】

貴『了解。交渉成立』

熊【…ケケケケ。オマエノイノチ、イノチ。ジャア、ガンバッテオレヲ、ミツケロヨ】

また不気味に笑うとぬいぐるみは素早い動きでどこかへ行ってしまった。

？「うわぁぁぁぁ！」

するとすぐに突然上から大きな悲鳴が聞こえた。
これは黒子達だ。
まさかっ！？
急いで階段を駆け上がると、用意していた人形だけを残して黒子達は消えていた。

熊以外の人形は全て八つ裂きにされている。
まさか黒子達まで消されるとは…。
塩の意味ないし…。
そして、人形の八つ裂きは不気味すぎる。
しかもご丁寧に熊以外だし。

ガシャンッ！

また下からガラスの割れる音がした。
台所？隠れるのにいい場所あったかな？
てか、よくよく考えれば隠れんぼの相手は人間ではない。
どこでも好きな場所に隠れることが出来るし、たとえ何も隠れる場所のない広い部屋だとしても、その部屋の天井とか、床下にいたりする。
普通の隠れんぼより難しいな…。
気配はこの家全体からしていて特定の場所は掴めないし、地道に捜すしかないのだろうか？
…手がかりはこの茶封筒。