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井戸 11 ページ28

今のうちに体育館周りを調べてみよう。
そう思って行動しようとした時だった。
ブワッと嫌な気配を感じ鳥肌が立った。
なんだ、今の?と、キョロキョロと周りを見渡していたら蔵之介の異変に気づいたようだった。



天井、出入り口、壁、床…何処を見ても何も見当たらない。
素早く移動しているのかさえわからない。
とりあえずみんなをここから出すことを先にしよう。



そう思って一歩足を踏み出した時だった。


部「なんだよこれ!?」


部「床がっ!」


突然誰かが声を上げた。
声の方を見ると部員2人の足が床に引きずり込まれていた。
その部員2人はみるみるうちに腰あたりまで引きずられていた。


部「うわっ!」


部「だ、誰かっ!」


あり得ない現象は他の部員にも起こっていた。


早「なんだこ(れ)!」


中「早川!落ち着け!暴れるほど早く沈むぞ!」


森「みんな!冷静になれ!」


黄「Aっち!これも幽霊の仕業ッスか〜!?」


ここにいる全員が床に引きずり込まれていた。
いや、私と笠松さんだけは平気だった。
私は念の為と、靴裏に札を貼っていてなんとかこの危を免れた。
笠松さんは蔵之介のおかげでなんとかなっている。


貴『笠松さん、そこから動かないでください』


笠「お、おう」


気配は何処から感じる?
ここにいる人間の焦りやらの大声で、音は聞き取れない。
だったら気配を頼るしかない。
まだ微かに嫌な気配は感じ取れる。
憎しみか恨みがよほど強いのかすぐに居場所が掴めた。



こんなことなら早く集中して居場所を特定していればよかったと後悔する。
気配の居場所は表体育館出入り口。
そこには恨めしそうな顔でこちらを見ている男がいた。


男【足…俺に足をくれ…】


その男には両足がなかった。
ふと床に引きずり込まれている部員を見ると、腰あたりまで引きずられていて、あとはストップしていた。
なるほど…そういうことか。


貴『黄瀬、最近ここらで交通事故なかった?』


黄「あっ、あったッス!先月学校近くでトラックに跳ねられて亡くなった男の人がいたッス!」


森「Aちゃん…まさか…」


貴『その男の幽霊ここにいますよ。足を求めて』


すると全員サーと血の気が引いて顔を真っ青にさせた。
心配することない。
もう悪霊となってしまってるから、願いを叶えてあげさせることは出来ない。
無理矢理成仏してもらうしか方法はない。
念のためを思って仕事道具はちゃんと持ってきている。

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サイガ(プロフ) - むっくんさん» ありがとうございます!頑張って更新しますね! (2017年7月15日 8時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
むっくん - とても面白いです。更新待ってます (2017年7月15日 2時) (レス) id: 3bcc7811a2 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - ピー・マン(`^´)キリッさん» (`_´)ゞ (2015年6月21日 17時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
ピー・マン(`^´)キリッ - d=(^o^)グッッ (2015年6月21日 17時) (レス) id: 247ae801c7 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 綾乃さん» ありがとうございます!こちらも頑張って更新します! (2014年8月24日 14時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サイガ | 作成日時:2014年8月6日 19時

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