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side 雅紀
潤からの連絡の内容を翔に聞いた時、俺の中で希望が生まれた。
和が反抗期と言う名の大きな壁を作っていたから智も２人に対して壁を作った。
脆いガラスの壁だったが。
それを智もわかっているから極力自分の部屋に戻ろうとはしなった。
自分の痛みは麻痺して感じない癖に他人の痛みには敏感だ。
傷付き過ぎた心は痛みを麻痺させる事で保たれていた。
そうでなければとっくに壊れていただろう。
幼い頃に身に付いた自己防衛の手段は大人になっても解かれる事はない。
それ程染み付いているんだ。
「いいんですか？」
「構わん。
いい加減、現実を見せてもいいだろう。
あのガキもそろそろ反抗期を卒業してもらわんと智が哀れ過ぎる」
「やっぱり智さんなんですね」
「当たり前だ。
智が頼むから面倒を見ているだけだ」
「でも和は気に入ってますよね」
「翔、言ったろ。
ここでは賢過ぎるとバカを見るってな」
翔は確かに頭がいい。
勉強だけじゃなく機転も利くし融通も利く。
若干、考え過ぎて固くなる時もあるが。
その辺のバランスが見ていて飽きないし、何より拾った智が気に入っているし信頼している。
難しい事は翔に丸投げって具合に。
それでも翔はきちんとそれに答える。
だが、ここで真面目過ぎると本当にバカを見る。
そうさせないために持ち合わせているヘタレを発動させている。
この世界でヘタレなんて単なる笑い者だが翔にはそれでいい。
そして翔のどんな所が１番好きかと智に問うと無駄にイケメンな所とヘタレな所と答える。
１番と聞いているのに２つ答える智も智だが。
なので本部へ行った時は遺憾なくヘタレな部分を煽っている。
こっちでは皆、アテにしてるんだがな。
それは言ってやらない。
「雅紀さん、智くんって……」
「それはそのうちな」
「そのうちそのうちってもう何年になるんですか？」
「何年だろうとそのうちはそのうちだ」
まだ話してやらない。
翔が潤と繋がってたとわかった以上ギリギリまで何も話せない。
なんなら一生。
総会が終わり挨拶回りが終わって帰路についたのは夜も更けた頃。
自分の家はスルーして智の家に向かう。
智を回収するためだ。
でも予感はしている。
きっと連れては帰れないだろう。
「智さんの面倒を見させて下さい」
潤は予測してたが和まで頭を下げた事に驚いた。
長い反抗期が終わったようだ。
俺は迷わず２人に智を託した。
それは俺の願いを２人に託す事でもある。
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蒼羽(プロフ) - 夏樹さん» ありがとうございます。ちょっと寄り道してましたが、続き始まりました？ので、これから後半に向けて頑張ります。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月24日 22時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - 楽しみにしながら、小説の続きが読みたいです。 (2021年1月24日 22時) (携帯から) (レス) id: f3c5bb2111 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。面白いそう言っていただけて嬉しいです。頑張りますので、よろしくお願いします。 (2021年1月17日 11時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 小説面白いです更新待ってます (2021年1月16日 23時) (レス) id: c3d8a6651c (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 明さん、コメントありがとうございます。毎日２話が限界で申し訳ないです。時々滞りますが……寝落ちして更新しそびれる……なんて事もありますが。できる限り頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2021年1月12日 21時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年12月29日 16時
