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「汗かいてるんで。
こんなに濡れてたら下がるものも下がりません」
看病だってわかってる。
でも兄さんの優しさに腹が立つ。
優しくされるこいつに腹が立つ。
何よりそんな事に腹を立てる俺自身に腹が立つ。
「大、丈夫……。
自分…で…する……」
こんな時に遠慮してるのか、起きてクローゼットに向かおうとするが、やっぱりふらつく。
兄さんが慌てて支える。
「着替えは俺が出しますから、座ってて下さい。
和、悪いけど支えてやって」
「……ん」
本当は嫌だけど兄さんに頼まれたら仕方ない。
兄さんに代わって支えてやる。
……何…こいつ。
支えるために触れた肩の薄さに驚いた。
食が細いのは知ってるけど。
ここで食べる以外、真面に食ってないのか？
ここでだって少ししか食わないのに。
多分、兄さんだって気付いた筈。
後ろから抱えてたもん。
この薄さ。
ちゃんと食えよ。
じゃないと兄さんのせいみたいになるだろ。
そしてまた一々腹を立てる。
そんな自分をぐっと抑える。
「……ごめ…ん」
何のごめんだよ。
謝るくらいならちゃんと食えよ。
俺が勝手にイライラしてる間に兄さんがクローゼットから取り出してきた服を渡した。
「ありがと。
着替えたら……置いとく…ね」
あくまでも１人で着替える気なのか？
支えててもフラフラしてるのがわかるのに。
そんなに俺たちに触られるのが嫌なのか？
仕事で毎日おっさんたちに触られてる癖に。
「フラフラしてて着替えれる訳ないだろ」
イライラするまま有無を言わせず寝間着代わりのシャツを剥ぎ取る。
…………！？
見せたくなかったのか……
体中に這う無数のみみず腫れの痕。
両方の手首や二の腕にある細い痣。
そして首にある手形……
これって……所謂ＳでＭな世界？
こんなに？
ガチでこんなに痕が残るもんなの？
何より首に手形ってヤバ過ぎだろ？
驚いて見入ってたら奴は自分で自分の体を抱き締め慌てて布団の中に潜り込んだ。
見せたくなかったんだ。
だからフラフラな癖に自分で着替えるって。
……これを俺がすんの？
いつかの兄さんの言葉を思い出し……ぞっとした。
コンビニでバイトして疲れたって思った事もあったけど比じゃないだろ、これ。
こんな事までして稼いでんの？
兄さんに給料払うために。
他の連中のもって。
そこまで思って兄さんを見る。
案の定……大きく目を見開き呆然としていた。
こんなに傷だらけのこいつを見て兄さんが何も思わない筈ない……
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蒼羽(プロフ) - 夏樹さん» ありがとうございます。ちょっと寄り道してましたが、続き始まりました？ので、これから後半に向けて頑張ります。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月24日 22時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - 楽しみにしながら、小説の続きが読みたいです。 (2021年1月24日 22時) (携帯から) (レス) id: f3c5bb2111 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。面白いそう言っていただけて嬉しいです。頑張りますので、よろしくお願いします。 (2021年1月17日 11時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 小説面白いです更新待ってます (2021年1月16日 23時) (レス) id: c3d8a6651c (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 明さん、コメントありがとうございます。毎日２話が限界で申し訳ないです。時々滞りますが……寝落ちして更新しそびれる……なんて事もありますが。できる限り頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2021年1月12日 21時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年12月29日 16時
