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確かに寝るしか使ってないけど。
殺風景にも程があるだろ。
もう外されてはいるけど点滴も置いてある。
「智さん、起きれますか？」
兄さんが声をかけるけど起きる気配はない。
でもごはん食べないと薬飲めないよな。
ベッドの横にある小さな冷蔵庫の中身を覗く。
水のペットボトルがあったから取り出してあいつの頬にあてる。
一瞬ピクンとする。
触れる面を変えて反対側の頬にもあててやる。
そしたら瞼がピクピク震えた。
「智さん、起きれますか？」
再度兄さんが聞くとゆっくりと瞼が開いた。
熱のせいか水分を多く含んだ瞳が現れる。
でも焦点はあってない。
「智さん、大丈夫ですか？」
声の主を探してさ迷う瞳。
不安気に揺れてる。
「智さん、潤です。
わかりますか？」
兄さんの方から視線を合わせに行くと漸くわかったのか、あいつは小さく息を吐いた。
「…じゅ…ん…くん？」
「そうです。
薬飲まないといけないんで、少しでも何か食べれますか？
おじや作ってます」
暫くじっと悩んで頷いた。
それを見て兄さんもホッとしたみたいだ。
「起こして大丈夫ですか？」
小さく頷いたのを見て兄さんはあいつの背に手を添えて起き上がらせる。
兄さんはあいつの背中を自分に預けさせ包み込むようにしてお椀とスプーンを持ちあいつに食べさせる。
そうだよな。
いつも俺が熱を出したらそうしてくれてたよね。
そいつにも同じ事してるだけだもんな。
でも……イライラする。
病人だってわかってる。
兄さんの優しさだってわかってる。
それでも俺だけにして欲しい。
そんな奴にまで優しくして欲しくない。
目を背けようとしたが、あいつは直ぐに食べるのを止めた。
数口食べただけだ。
「ごめ……もう……」
いつも少なめにしてるとは言え出した料理は全部食べるのに申し訳なさそうに俯きながら食べるのを止めた。
「いいですよ。
薬、飲みましょう。
和、手に持ってる水、開けて」
「あ、うん」
あいつを起こすのに使ったペットボトルのキャップを開けて兄さんに渡す。
兄さんは薬を１つずつあいつの口に入れてやり俺から受け取ったペットボトルをあいつに持たせようとする。
でも手が震えていて上手く持てないようだ。
だから兄さんが手を添え口元まで持って行く。
それでどうにか水とともに薬も飲み込んだ。
「ごめんね、ありがとう」
兄さんはあいつが薬を飲んだのを見て体を横にしてやる。
「起きたついでに着替えましょうか？」
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蒼羽(プロフ) - 夏樹さん» ありがとうございます。ちょっと寄り道してましたが、続き始まりました？ので、これから後半に向けて頑張ります。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月24日 22時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - 楽しみにしながら、小説の続きが読みたいです。 (2021年1月24日 22時) (携帯から) (レス) id: f3c5bb2111 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。面白いそう言っていただけて嬉しいです。頑張りますので、よろしくお願いします。 (2021年1月17日 11時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 小説面白いです更新待ってます (2021年1月16日 23時) (レス) id: c3d8a6651c (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 明さん、コメントありがとうございます。毎日２話が限界で申し訳ないです。時々滞りますが……寝落ちして更新しそびれる……なんて事もありますが。できる限り頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2021年1月12日 21時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年12月29日 16時
