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またインターフォンが鳴った。
まだ誰か来るのか？
こんな連中が？
もう嫌だ。
男の１人が玄関に向かった。
俺は兄さんに強くしがみついた。
緊張しながら玄関の方を見てると背が高くて細身な優男とその男に肩を抱かれている……女？
いや、男か？
華奢で性別を感じさせない綺麗な顔をした奴が入ってきた。
先にいた男たちが頭を下げるくらいだから上の奴なんだろう。
「兄貴、こいつらです」
先の男が俺たちを指差す。
優男は俺たちをじっと見てから隣の男の耳元に何か囁いている。
囁かれた美人はじっと兄さんを見てる。
そして……こっちに向かって歩いて来た。
「なんだよっ」
怖くて声をあげるけど奴はぜんぜん動じず兄さんの前にしゃがみ兄さんの顎に手をかけ顔を上げる。
「ふぅ〜ん、イケメンじゃん。
駄目だろ、綺麗な顔に傷なんてつけたら。
それと食いもんは粗末にすんな」
さっき聞こえた大きな音はテーブルが倒れた音だったようで朝ごはんの残りが床に散乱している。
その落ちてる卵焼きを拾ってそいつは口に入れた。
この状況で！？
「うまっ。
これ誰が作ったの？」
「えっ？」
場の雰囲気なんてお構い無しの呑気な声と言葉。
「ねぇ、誰が作ったのって聞いてんの」
「俺です」
もう１回聞かれて慌てて答えた。
「旨いじゃん。
家事って得意なの？
部屋も綺麗に片付いてるし」
きょろきょろ部屋の中を見回してそう続けた。
なんなの、この人。
あいつらの仲間だよな？
１人だけ浮いてるんだけど。
その質問に律儀に答える俺も何？
緊張感もなければ怖くもない。
あいつらの仲間の筈なのに。
「親いないんで自分たちでやってます」
「母親いたんじゃないの？
うちで金借りてばっくれた母親」
その言葉にずきりと胸が痛んだ。
あんな奴、母親じゃない。
あの女のせいで俺たちがどんだけ辛い思いをしたか……
母親らしい事はおろか家族を滅茶苦茶にした。
「あんなの母親なんかじゃないっ！」
「和、止めろ。
それでも俺とおまえを産んでくれた。
それだけは感謝してるよ、俺は」
兄さんは優しい。
一番辛い思いをしているのに、あんな奴を庇う。
そりゃ兄さんに出会えた事は嬉しいけど。
「仲いいね。
おし、雅紀さん、こいつら俺にちょうだい。
前に言ってたろ、お手伝いさん欲しいって。
それにする」
兄さんの事を考えている間になんか突拍子もない事を言い出した？
何の事か聞こうと思ったらインターフォンがまた鳴った。
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蒼羽(プロフ) - 夏樹さん» ありがとうございます。ちょっと寄り道してましたが、続き始まりました？ので、これから後半に向けて頑張ります。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月24日 22時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - 楽しみにしながら、小説の続きが読みたいです。 (2021年1月24日 22時) (携帯から) (レス) id: f3c5bb2111 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。面白いそう言っていただけて嬉しいです。頑張りますので、よろしくお願いします。 (2021年1月17日 11時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 小説面白いです更新待ってます (2021年1月16日 23時) (レス) id: c3d8a6651c (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 明さん、コメントありがとうございます。毎日２話が限界で申し訳ないです。時々滞りますが……寝落ちして更新しそびれる……なんて事もありますが。できる限り頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2021年1月12日 21時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年12月29日 16時
