【銀魂】性格悪いが好きなんだ【沖田総悟】 (ページ23)

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13話男と財布ページ23

屯所への帰り道

特に話題もなく静かに二人で歩いていた。

ちらりと総悟の方を見る。少し幼さの残る顔立ちだが、幼馴染みの私から見てもかっこいいと思う。
まぁ……惚れた弱みってのも無くはないのかもしれないけれど。

女が寄ってくるわけだ。

まぁ実際には真選組の好感度はよろしくなくて、その原因である破壊神のイメージが定着している彼なのだが。どうせ顔しか見てない阿呆な雌豚が寄ってくる。

今の私には、幾ら気に入らなくても我慢するしかない。

あまりに見すぎたのか、こちらを見た総悟とばっちり目が合ってしまう。

「なんでィ」

すぐに逸らすも時すでに遅し。

「アンタに女が寄ってくる理由について考察してた」

「はぁ？呑気だな」

「どうとでも言え」

否定しない辺りムカつく……

謙虚のけの字もないこの野郎のどこに魅力を感じるのか…それならトシ兄の方が100倍かっこいい。所詮顔か。

…待って、これ盛大なブーメラン。

どうしようもない幼馴染みのドS野郎をいつから、そしてなぜ好いているのか。今となってはもう覚えていない。

ただ……極々たまに優しかったり、かっこよかったり。その度に心臓がキュッとなって、どうしようもない気持ちになったり……

やめよう。恥ずか死ぬ。

「なに百面相してんでィ…」

悶々としている横で総悟は不思議そうに首を傾げた。

とその時。一人の男が後ろからやってきて、総悟にぶつかりながら走っていく。

細身で背は高めの男。顔は隠しながらぶつかってきた。もう少しで人混みに紛れそうだという時だ。

「あれ？さっきぶつかってきた奴の持ってるのって……」

「ん？……俺が持ってきた財布(土方の)でさァ」

「やっぱり！ってえ？トシ兄の？」

「ちょっくらパチってきやした」

「馬鹿！…ってあ！追いかけるよ！」

走り出しながら総悟の背中を軽く叩く。

「土方の財布はどうでもいいが……」

「今朝の会議の……」

「ああ。とっ捕まえるぞ」

先程までとは違って瞳の光が鋭くなる。怠そうな雰囲気は影を潜め、すっかり"仕事"をする気満々のようだ。

「結構な街中だから刀もバズーカもなしだからね」

「わかってらァ」

今にも見えなくなってしまいそうなスリ犯の背中を必死に追いかけた。