バレンタイン2 ページ18
「なにって……手作りのクッキーに決まってまさァ」
「なんで!なんで沖田隊長は手作りなんて貰ってるんですか!?俺たちなんて……チロルチョコなのに……」
「チロルチョコ馬鹿にすんなよ!安くてうめぇんだからな!」
そう言い返すと、チロルチョコの回し者か何かですかってつっこまれてしまった。
「沖田隊長限定ですか!?なんで?そんなに沖田隊長大好きなんですか?!Aさん!」
一瞬その場が凍りついた。すぐに馬鹿にしてきそうな総悟ですらキョトンとしている。
「いやさ、別に手作りあげてるのコイツだけじゃないし」
「お?みんな集まって何の話だ?」
食堂に入ってきた近藤さんが集まってる私たちを見てやってくる。トシ兄も一緒にいた。
「Aさんが沖田隊長に手作りを渡してるって……」
「俺も貰ったぞ」
「俺も。他にもザキとかにも渡してただろ」
それを聞き、ずるいですよ!と口を揃えて隊士たちは騒ぐ。
「いや、手作りあげた時もあったけどお返ししようという素振りなかったから同じ隊と特別仲良い人だけにしたんだよ」
椅子から立ち上がって、わかった?と問うた。
みんな忘れかけているだろうが、私は今日非番なのだ。そろそろ出掛けたい。
心の中で後であげるからなーと言って、悲壮な声を上げる奴らを尻目に食堂を後にした。
……総悟にあげない事にしちゃった気がするけど…後でちゃんと渡せばいっか。
実はがっつり、他の人とは違う仕様で用意してたりする。
−−−−−−−−−−−−−
紙袋を手に街中を歩く。
まずは万事屋へ。神楽ちゃんにクッキーを渡しに行った。
なぜクッキーかって?大量生産できるから。
可哀想だったのでちゃんと旦那と新八くんにも用意した。あげた時……
「うわああ!くれるのか!?くれるのか!?ありがとう!!」
「本当に僕に!?ありがとうございます!!」
とまぁそんな具合に喜んで抱きつかれたけども。
その次は妙ちゃん。凄く喜んでくれてお返しをくれたけどダークマターだったからごめんなさいするしかなさそうだった。
次々に友達と交換をしたり遊んだりしに行き、袋も行きと違う物で埋まってきた頃、ちょうど日は傾き始めてきた。
スーパーによってチロルチョコを数箱箱買いする。
嘆き悲しむ奴ら用だ。
多くの荷物で膨らんだスーパーの袋を担いで帰路についた。
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作者名:冬織 | 作成日時:2018年1月27日 18時