(3)とある隊長の秘密手帖 ページ16
〜○番隊隊長side〜
○月☆日
この真選組の隊長クラスには有名なカップルが一組いる。
まぁ男所帯の組織にカップルが複数組あっても困るのだが。幸い、真選組の紅一点・一番隊副隊長と同じ部隊の隊長の両片想いペアである。
お互いの好意に全然気付いていなくてもどかしいが、この小説が書かれたという事はもうすぐ付き合うのだろう。俺はとても嬉しい。
話は少し逸れたが、この二人は色々気付いていない割にイチャイチャイチャイチャ…非常に目に毒なのである。
今日は朝から会議がある日だった。
例の二人……というか沖田隊長が寝坊・遅刻は当たり前だから別段気にしていないのだが、今朝はやってくるのがやけに遅かった。
諦めればいいのにと思うが、副長も我慢の限界が超えた頃。
「おま……たせ…………しました…」
疲れきったAちゃんの声と生き生きとした沖田隊長の顔が開いた襖から覗いた。
「何やってたんだ!おせェぞ」
「すいませ……ちょっと…コイツのイタズラが過ぎて…」
飄々とした態度を崩さずに自分の席につく。
Aちゃんはそれに顔を歪めて隣に座った。
会議が進む間も隊長が居眠りをこいたり副隊長が必死に謝ったりといつも通りといえばいつも通りであった。
でもどこかAちゃんの覇気がない。
会議が終わり、不思議に思った俺はやってくる前に何があったのか尋ねることにした。
「け、今朝ですか…?……あの……他の人には内緒にしててくださいね……」
顔を赤らめて言う。
可愛いなおい……沖田隊長、すまん。
何でこの子の可愛い顔を見ただけで付き合ってもねェ奴に謝らにゃならんのだ…
「あの…その…………総悟を起こしに行ったんですけど……腕引っ張られて……」
あぁ、察し。
「布団の中でぎゅーってされてて……恥ずかしいじゃないですか…………」
聞いててなんだけど、この子は馬鹿なのかな…めっちゃ喋るし。まぁ相当参っているようだけど。
「Aーいるかィ?」
「ぁ……う、ん」
「どうしたんでィ」
「なんでもないって」
二人で外に去っていった。
まぁ仲良くしちゃって。
若いっていいねェ……
おじさんは若人の恋路を応援してやるかと暖かく後から見守った
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作者名:冬織 | 作成日時:2018年1月27日 18時